チャンギ空港には、トランジット客が入国審査を通過せずに利用できる施設が数多く用意されています。その種類はグルメ・ショッピング・アトラクション・庭園・映画館などさまざま。長いトランジットでも決して時間をもてあますことなく、充実した時間を過ごせるのが魅力です。
また、乗り継ぎ時間の長さによって、楽しみ方の選択肢も大きく広がります。この記事では、5〜8時間・8〜12時間・12時間以上という3つのパターンに分けて、それぞれにおすすめの過ごし方をご紹介。空港内でさくっと楽しみたい方から、せっかくなら街に出てみたい方まで、自分にぴったりのプランがきっと見つかるはずです。
空港内の公共エリアやトランジットエリアでは、無料のWi‑Fiサービスも利用できます。接続する際は、Wi‑Fiリストから「#WiFi@Changi」を選び、インターネットブラウザからログインページにアクセスしてください。
さらに、各ターミナルにはラウンジも充実しています。航空会社のラウンジに加え、どの航空会社の乗客でも利用できる公共ラウンジもあるため、場所や利用条件、料金などを事前に空港公式サイトで確認しておくと安心です。
ここからは、トランジット中でも気軽に立ち寄れる、おすすめの施設やエリアをピックアップ。移動の合間に、ちょっと特別なひとときを楽しんでみませんか?
チャンギ空港で外せないスポットといえば、ターミナル1の到着ホールに直結する大型複合施設「ジュエル」です。その中心にあるのが、世界最大・最高の屋内滝「レイン・ボルテックス」。高さ約40メートルから流れ落ちる滝は圧巻のひと言です。夜にはライトアップされた光と音のショーも開催され、幻想的な雰囲気に包まれます。
そして、滝を取り囲むように広がるのが、「資生堂フォレストバレー」。4階分の吹き抜け空間に、900本を超える高木やヤシの木と、約6万株もの低木が植えられた屋内庭園です。視覚、嗅覚、聴覚、触覚に訴えるアートインスタレーションも相まって、まるで都会のオアシスのような癒しを感じられます。
ジュエルの最上階には迷路や巨大な滑り台などで遊べる「キャノピーパーク」もあり、大人から子どもまで楽しめます。
さらに、各ターミナルには個性豊かなガーデンが点在しており、カクタスガーデンやバタフライガーデン、サンフラワーガーデンなど、自然に囲まれた空間を散歩しながらひと息つくことができます。
注意点として、ジュエルに行く場合はトランジットエリアを出て、シンガポールに一旦入国することになります。トランジット先へ出発する際はシンガポールからの出国手続きも必要になるので、時間には余裕をもって行動してください。
「せっかくの乗り継ぎ時間、ちょっと気分を変えたい」「退屈しのぎに何か楽しめるものはないかな」という方にぴったりなのが、チャンギ空港に用意されたエンターテインメント施設です。
ターミナル3のトランジットエリアには映画を無料で鑑賞できるシアターがあります。映画は24時間上映中なので、「夜中のトランジットで、ほかにすることがない…」というときにもおすすめ。上映される映画の言語は、ほとんどが英語です。
また、入場料が必要となりますが、注目なのが「チャンギ・エクスペリエンス・スタジオ」。最新のデジタルアトラクションを体験できるこのゾーンでは、プロジェクションマッピングやインタラクティブゲームなど、思わず夢中になってしまう仕掛けがたくさん。
旅の合間にすっきりしたいときは、ターミナル2からアクセスできる「ハブ&スポーク」内のシャワーが便利。ほかにも、スパやシャワーが併設されたラウンジを利用するのもおすすめです。
しっかり休みたい人には、空港内ホテル「アンバサダートランジットホテル」や「エアロテル・シンガポール」がおすすめ。どちらのホテルも数時間単位の短時間滞在が可能です。エアロテル・シンガポールには利用者向けの屋外プール付きプランもあり、リゾート気分を味わいながらリラックスできます。
また、もっと気軽に休憩したい方には、空港内に点在する無料のマッサージチェアも便利。数分座るだけでも足の疲れが和らぐ感覚があり、次のフライトに向けて気分を切り替えるのに役立ちます。
チャンギ空港では、シンガポールらしいグルメやショッピングも手軽に楽しめます。ジュエル内の「フード・リパブリック」や、ターミナル3の「シンガポール・フード・ストリート」では、チキンライスやラクサ、カレーなど、地元のホーカーズ料理が味わえます。
また、空港内にはコスメや香水やタバコなどの免税店に加え、アーヴィンズやブンガワン・ソロといった定番のローカル土産店も豊富。旅の合間に、買い物もグルメも存分に楽しめます。
乗り継ぎ時間がたっぷりある人におすすめの過ごし方をご紹介。乗り継ぎ時間の長さに応じておすすめの過ごし方をご紹介します。
5〜8時間あれば、空港内だけでもしっかり楽しめます。ジュエルでレイン・ボルテックスや資生堂フォレストバレーを散策したあと、ミニシアターやゲームゾーンなど無料の施設を体験。軽食やカフェでひと息ついたら、最後にお土産探しを楽しむという流れが定番です。
もう少し余裕がある8〜12時間のトランジットでは、有料施設もおすすめ。ジュエルのキャノピー・パークで遊んだり、スパやシャワーでリフレッシュしたり。ゆったり食事をとったり、ラウンジでの休憩も可能です。時間に追われず、のびのび過ごせるのがこの時間帯の魅力です。
疲れが溜まっているという人は、ホテルの短時間滞在を利用して横になるのも手。今後の旅程のために、体力を回復させておきましょう。
12時間以上のトランジット時間があるなら、市内観光も視野に入れてみてはいかがでしょうか。トランジット時間が5.5〜24時間ある場合、事前予約をすれば空港が提供する無料の市内ツアーに参加できます。ツアーは以下の3種類から選べます。
・市内観光
・伝統文化ツアー
・シンガポール川とマリーナ・ベイ・サンズツアー
また、自分でMRTに乗って市内へ出て、マリーナ・ベイ・サンズやマーライオン公園などの観光スポットを訪れることも可能です。空港から市内中心部までは、MRTを利用して片道35〜45分程度です。
ジュエルや市内へ行く場合は一度シンガポールへ入国することになるので、入国・出国審査や保安検査の時間を見込んで、時間に余裕をもって行動しましょう。
©Alen thien / Shutterstock.com
チャンギ空港でのトランジット時間をスムーズに過ごすには、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。まず、搭乗ゲートやフライト情報はターミナル間の移動後に変更されることもあるため、モニターでこまめに確認しておくのが安心です。
また、手荷物を預けて身軽に動きたいときは、空港内にあるコインロッカーや荷物預かりカウンターを活用するのがおすすめ。短時間の観光や仮眠の際にも便利です。
ターミナル間の移動手段も要チェック。ターミナル1〜3までは徒歩または無料のスカイトレインで移動でき、4へはシャトルバスでアクセスする必要があります。
さらに、乗り継ぎには最低でも2時間の余裕を持つのがベター。特にセキュリティチェックやターミナル移動がある場合は、早め早めの行動を心がけましょう。
施設が充実しているチャンギ空港なら、トランジットの時間を「ただの待ち時間」ではなく、旅の一部として楽しんだり、くつろいだりする時間に変えられます。この記事で紹介した空港内外での過ごしかたをうまく活用して、次の目的地までの時間を心地よく、そして思い出深いものにしてください。