ホーチミンは、ベトナム南部に位置する最大都市で、旧称は「サイゴン」です。ベトナム経済の中心地として高層ビルが立ち並ぶ商業都市でありながら、フランス統治時代に築かれたコロニアル建築が今なお残り、伝統と近代が交差する独自の街並みを形成しています。このような背景から「東洋のパリ」とも称されることがあります。
加えて、ホーチミンではバイクが行き交うにぎやかな通りや、活気あふれる屋台文化が健在であり、アジアらしい雑多な雰囲気も色濃く残っています。グルメ面でも、フォーやバインミーといった国民食から、本格的なフレンチ、地元の若者に人気のカフェ文化まで、多様な食体験が楽しめるのも魅力です。
ホーチミンへの空の玄関口は「ホーチミン・タンソンニャット国際空港」です。東京をはじめ、大阪や名古屋、福岡など日本の主要都市から直行便が運航しており、約5~7時間でアクセスできます。
日本航空(JAL)や全日空(ANA)、ベトナム航空といった主要エアラインに加え、ベトジェットエアなどのLCCも就航しており、予算や時間などに合わせて選びやすいのも嬉しいポイントです。
ホーチミンの気候は熱帯モンスーン型で、年間を通して高温多湿ですが、大きく分けて乾季(12月〜4月)と雨季(5月〜11月)の2シーズンに分かれます。観光に適しているのは、雨が少なく比較的湿度が低くなる乾季で、屋外での観光やツアー参加に最適なシーズンです。
一方、雨季は日中に1~2回ほど強烈なスコールが降りますが、短時間で止むことが多く、タイミングに注意すれば問題なく観光を楽しむことができます。ただし、荒天の場合はアクティビティが中止になる可能性があること、湿度が上がるため熱中症対策が必須であることは忘れないようにしましょう。
このようなことから、雨季は航空券やホテルの料金が比較的安価になる傾向にあります。できるだけコストを抑えた旅をしたい方にとっては、狙い目のシーズンといえるでしょう。
日本からの直行便でホーチミンへ到着後、まずは「サイゴン中央郵便局」や「タンディン教会」など、定番のスポットを訪れましょう。空港から市内中心部までは車で30分程度でアクセスできるため、ボッタクリの心配が少ない配車アプリ「Grab」を利用するのがおすすめです。
夕食はベンタイン市場周辺のローカルな雰囲気が漂う屋台街で、バインセオ(ベトナム風お好み焼き)やブンチャーなどの地元料理を堪能してください。物価が安いため、お酒を飲んでも1,000円前後で満腹になるほどリーズナブル。もし衛生面が気になる場合は、日本人街を中心に整備されたレストランを利用すると安心です。
2日目の午前中は「統一会堂」や「戦争証跡博物館」などの王道歴史スポット巡りからスタート。ベトナム戦争や南北統一の歴史を学び、単純な観光ではなく、現地の過去にも理解を深めましょう。
昼食は「タンディン市場」で、コムタム(焼肉のせご飯)やフォークア(カニ入りフォー)など、ボリュームのあるランチを堪能します。観光客より地元民が多いため、現地の空気感を存分に味わえるはずです。
午後は、華僑文化が色濃く残る中華街「チョロン」へ行き、華やかなティエンハウ寺での参拝や、巨大な市場「ビンタイ市場」でのお土産探し、値段交渉など、現地の文化を体感してみてください。
夜は巨大な市場「ビンタイ市場」や、華やかな「ティエンハウ寺」を巡ったのち、地元の若者が集まる「Nguyen Van Chiem フードストリート」へ足を伸ばしましょう。そこでしか味わえないローカルグルメをハシゴしてみるのもおすすめです。
3日目は少し遠出をして、ホーチミンから片道約1時間30分ほどの場所にあるメコンデルタ地域へ行きましょう。自然とローカルな雰囲気が残る田舎町のメコンデルタで人気なのは、メコン川を小さな船に乗って下る「メコン川クルーズ」です。
うっそうと草木が生い茂る川の上を、ノンラーと呼ばれる伝統的な葉笠をかぶりながら下るクルーズは、日本ではなかなか体験できません、クルーズ料金や交通費が含まれたホーチミン発のツアーを利用すると、便利でお得です。
そのほかメコンデルタ地域では、生春巻きに欠かせないライスペーパーを作る工場を無料で見学できたり、地元の食材がズラリと並ぶチャウドックの青空市場、ハチミツ農園、フルーツ園などを楽しむことができたりと、大都市ホーチミンにはないディープ&ローカルな体験が可能です。
午後からはベトナム南部のメコンデルタ地区「メコン川クルーズ」へ、現地発着のツアーを利用して訪れてみてください。小舟でジャングルの中を進み、ハチミツ農園やココナッツキャンディ工場、フルーツ園を体験できます。非日常的な時間を過ごし、夕方にはホーチミン市内へと戻ります。
最終日は“ホーチミンの代官山”とも称される、在住外国人やおしゃれなベトナム人に人気の「タオディエン地区」へ行き、のんびりと過ごしながらお土産を探索しましょう。熱帯特有の植物と建物が絶妙に入り混じるエリアには、おしゃれなカフェ、ベーカリー、雑貨店などが点在しています。
写真映えスポットや気になるお店がたくさんあるので、余裕を持って訪れるのがおすすめ。たくさん写真を撮影して、旅の思い出を残しましょう。
そして現地で最後の体験として、ホーチミン市内各所にあるスパで心身を癒やしてください。国内外でも人気の「L’apothiquaire」や「Miu Miu Spa」など、さまざまなお店があり、本格的な全身スパだけでなく、ヘッドスパやフットスパなど軽く体験できるコースも豊富です。
スパ体験で身体の疲れが取れたところで、余裕を持って空港へ向かいます。空港内にはいたるところにお土産販売所があるため、万が一買い逃しがある場合も安心です。ただし市内よりもかなり割高になるので、その点だけ注意しましょう。
リトルサイゴンブティックホテル
ベンタイン市場など多くの観光スポットにある好立地なホテルで、観光の拠点におすすめです。スタッフのフレンドリーな対応が好評で、カップルやご家族連れはもちろん、一人旅にも最適です。
モダンでスタイリッシュな雰囲気のThe Hammock Hotel Ben Thanhは、名前の通り室内にハンモックが設置されているのが大きな特徴です。観光した後にハンモックで体を揺らしながら、旅の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。
ホーチミン市内中心部より車で15分の場所に位置する、5つ星ホテル。日系ホテルならではのホスピタリティの高さが魅力で、より快適な滞在を叶えてくれるでしょう。プールやスパ、レストランやバーなども併設されています。
白を基調としたリゾート感あふれるVilla Song Saigonは、サイゴン川岸を見渡せる23の豪華なスイートがあります。ホットストーンマッサージ、ボディラップ、フェイシャル トリートメントなど、豊富なスパで優雅な時間を過ごしましょう。
ベトナムで最大級の5つ星ホテルとして知られるThe Reverie Saigonは、現代的なスタイルと最高レベルのサービスが魅力です。ミニバーや高級車での送迎サービスなど、特別感のあるサービスを提供しており、非日常感を演出してくれるでしょう。
ホーチミンは、歴史や独特の文化、グルメ、自然、ショッピング、スパと、さまざまな楽しみ方ができるエリアであり、旅の目的を問わず満足できることは間違いありません。ご紹介したコースを参考にしながら、ぜひホーチミンですてきな旅行の思い出を作ってください。