まず知っておきたいのが、西表島の基本情報です。最初に、ベストシーズンやアクセス方法、島内の交通手段、宿泊エリアの選び方まで、旅の準備に欠かせないポイントをご紹介します。
西表島を訪れるなら、最もおすすめなのは3〜5月と、台風の影響が比較的少ない10〜11月の期間です。この時期は天候が安定し、カヌーやトレッキング、シュノーケリングといったアクティビティを快適に楽しむことができます。
特に梅雨の時期(5月〜6月上旬)や台風シーズン(7月〜9月)は雨量が多くなります。海の透明度が下がる日もあるため、天気予報のチェックが欠かせません。
冬は北風の影響で体感温度が下がり、肌寒く感じることがあります。降水量は年間で比較的少ないものの、風による海況の変化に注意が必要。オフシーズンのため、旅費が抑えられるというメリットもあります。訪れる目的に応じて、最適な時期を選びましょう。
西表島には空港がないため、アクセスはすべて石垣島からフェリーを利用する形となります。石垣港離島ターミナルからは、西表島の「大原港」行きと「上原港」行きの2つのルートがあり、所要時間はどちらも約40〜50分。
天候や海の状況によっては上原港行きは欠航しやすく、その場合は大原港行きのみの運航となります。プランを決める際は、目的地や宿泊場所に応じてどちらの港に向かうか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
島内の公共交通は路線バスが2系統のみで、運行本数も限られているため、効率よく観光するにはレンタカーやツアー送迎の利用が基本となります。
特にモデルコースにあるような由布島や星砂の浜など、複数の観光地を巡る場合は自由度の高いレンタカーの利用がおすすめです。また、アクティビティに参加する場合は送迎付きツアーが多く、運転ができなくても安心して楽しめます。
なお、レンタカーは港や宿泊施設で借りられることが多いですが、事前予約が必須となるのでご注意を。
西表島での宿泊エリアは主に、東部(大原港周辺)と西部(上原港周辺)に分かれています。東部はフェリーの運航が安定しており、由布島や仲間川クルーズなど観光の起点になりやすいエリア。
一方、西部は観光施設やレストランが比較的充実しており、シュノーケリングやピナイサーラの滝カヌーツアーなどのアクティビティが豊富です。アクセス重視なら大原港周辺、アクティビティ重視なら上原港周辺、と目的に応じて選ぶのが理想的。
近年では、民宿やリゾートホテルなど宿泊スタイルも多様化しているため、自分に合ったプランを立ててみてください。
ここからは、西表島をめいっぱい楽しむためのモデルコースを日程別にご紹介します!日帰り・1泊2日・2泊3日と、旅のスタイルに合わせて選べるので、観光プラン作りの参考にしてみてくださいね。
午前:大原港到着→仲間川マングローブクルーズに参加(約70分)→由布島へ水牛車で渡る(由布島滞在約1時間)
午後:昼食(由布島内または大原港周辺でランチ1時間)→星砂の浜でのんびり or バラス島シュノーケリング
夕方:大原港周辺でお土産探し・石垣島行きのフェリーに乗船
仲間川マングローブクルーズでは、広大なマングローブ林を遊覧船でゆったりと巡ります。亜熱帯の自然の中で野鳥や川の景色を間近に楽しめるのが大きな魅力です。クルーズの後は、水牛車に揺られながら遠浅の海を渡って由布島へ。
昼食後は、旅のスタイルに合わせて午後のプランを選びましょう。静かに過ごしたい人は「星砂の浜」へ。透明度の高い海と星型の砂が特徴のビーチで、のんびりとした時間を楽しめます。
一方、海の魅力を満喫したい人には、「バラス島」でのシュノーケリングツアーがおすすめ。白い珊瑚でできた小さな無人島で、色鮮やかな熱帯魚やサンゴ礁が広がる海を堪能できます。
日帰りでも西表島の自然をしっかり感じられる、充実のプランです。
日帰りで西表島を観光する際は、移動時間と天候に注意が必要です。特に冬場や悪天候時は、フェリーが欠航したり、大原港行きの便のみとなることがあるため、事前に運航状況の確認を忘れずに。
また、帰りのフェリーに間に合わなくなると石垣島へ戻れない可能性もあるため、スケジュールには余裕を持った行動を心がけましょう。島内は路線バスの本数が少ないため、あらかじめ時刻を調べるか、レンタカーや送迎付きツアー、タクシーの利用を検討するのが安心です。特に短時間で複数のスポットを巡るには、移動手段の確保に気を付けましょう。
1泊2日で西表島の魅力をしっかり楽しめる、王道のモデルコースです。マングローブクルーズや水牛車体験、滝やビーチなど、アクティビティを存分に満喫したい方にぴったり!
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午前:石垣港発のフェリーに乗船し、大原港へ到着(所要時間 約40〜45分)→大原港到着レンタカーをピックアップ
大原港から仲間川遊覧船乗り場へ移動(レンタカーで約5分)→仲間川マングローブクルーズに参加(約1時間30分)
仲間川遊覧船乗り場から水牛車乗り場へ移動(レンタカーで約5分)→由布島へ水牛車で渡り、島内散策(約1時間15分)
午後:昼食(由布島内または大原港周辺の飲食店でランチ)
由布島/大原港周辺から西部の「星砂の浜」へ移動(レンタカー約40分)→星砂の浜(約1時間)→宿泊施設へ移動&チェックイン
夕方~夜:夕食→ナイトツアーに参加するのもおすすめ(別途予約要/所要時間 約2時間)
石垣島から西表島へ渡り、まずはレンタカーをピックアップしたら、1日目のスタートは仲間川マングローブクルーズから。約1時間半の遊覧では、日本最大級ともいわれるマングローブを船で進み、亜熱帯の自然を堪能できます。
その後は再び車で移動し、由布島へ向かう水牛車に乗車。島内では熱帯植物園などを自由に散策して、由布島ならではの暮らしを満喫しましょう。
昼食後は、西部エリアの「星砂の浜」へ。星型の砂が見つかることで知られるこのビーチは、白い砂浜と透き通る海が有名で、浜辺を歩いたり貝殻を探したりと、ゆったりとした時間を過ごせます。
夕方には宿にチェックイン。夕食後は夜のジャングルを探検するナイトツアーもおすすめです。
午前:朝食後、ピナイサーラの滝カヌー&トレッキング体験(約4時間)
午後:ツアー終了後、ツアー会社の送迎またはレンタカーでランチへ(上原港周辺にて)→バラス島ツアー集合場所へ(移動約15分)→バラス島シュノーケリングツアー(約2時間)
夕方:上原港または大原港からフェリーに乗船、石垣島へ。(フェリー 上原港〜石垣港 約45分、大原港〜石垣港 約40〜45分)
2日目は、西表島の大自然を体感できるアクティビティが中心です。午前中は、人気のピナイサーラの滝ツアーへ。ツアーによっては送迎もあります。約4時間かけてマングローブの川をカヌーで進み、トレッキングで滝を目指します。
昼食は上原港周辺で一息ついたあと、午後はバラス島シュノーケリングへ。ツアー終了後は、上原港または大原港からフェリーで石垣島へ。旅の最後まで西表島の海と自然を満喫できます。
スケジュールに余裕がある方は、2泊3日で西表島を余すことなく楽しめるアクティブ派向けのモデルコースがおすすめです!
午前:カヌー&滝壺遊び(ナーラの滝など)
午後:マングローブSUP体験
初日は、西表島の定番アクティビティであるカヌーと滝壺遊びからスタート。マングローブの中をカヌーで進み、ジャングルを歩いて辿り着く滝壺では、泳いだりのんびり過ごしたりとリフレッシュできます。
午後はマングローブエリアでのSUP体験へ。初日から西表島の自然をたっぷり満喫できる、アクティビティ中心の一日です。
早朝:サガリバナ群落鑑賞(季節限定)、シュノーケリングorダイビング
午後:夜行性動物探しツアー(ナイトツアー)
2日目は、海と森、両方の魅力を味わえる充実のスケジュールです。早朝は、夏季限定で見られるサガリバナ群落の鑑賞からスタート。白やピンクの花々が咲き誇る光景は圧巻の美しさです。
その後は、シュノーケリングまたはダイビングで西表島の海を満喫しましょう。色とりどりの魚やサンゴ礁が広がる美しい海は、初めてでもガイド付きで安心して楽しめます。
夜はナイトツアーへ出発!西表島に生息する夜行性の動物を探しに、暗闇のジャングルを歩くスリル満点のツアーです。
午前・午後:シーカヤックで無人島上陸、パナリ島ツアー
3日目は、シーカヤックでの無人島上陸や、離島・パナリ島をめぐるツアーで締めくくり。無人島では、手つかずの自然の中でゆったりとした時間を過ごせます。
最後に、モデルコース以外のアクティビティや持ち物、名物グルメやお土産についてご紹介します。出発前に要チェックです!
西表島には、モデルコース以外にも魅力的なアクティビティがたくさんあります。例えば、ジャングルの沢を滑り降りる「キャニオニング」や、ライト片手に鍾乳洞の奥を探検する「ケイビング(洞窟探検)」は、自然の神秘を体感できる人気のアクティビティです。
また、夜には「ナイトカヌー」で星空保護区に指定された川を渡り、夜光虫が彩る幻想的な景色を楽しむこともできます。さらに、ホタルや夜行性の生き物を観察する「ナイトツアー」も西表島ならではの自然体験としておすすめです。
西表島では自然を満喫するアクティビティが多いため、しっかりとした準備が欠かせません。虫刺され対策の「虫除けスプレー」や「虫除けシート」は必需品。強い日差しから身を守る「日焼け止め」や「帽子」も役立ちます。
川や海でのアクティビティを楽しむ際は、濡れてもすぐに乾きやすい服やサンダル(マリンシューズ)が便利で、さらに防水バッグがあると貴重品の管理も安心です。加えて、飲み物や常備薬、絆創膏など、体調管理のためのアイテムも準備しておくとよいでしょう。
島で味わいたいグルメとしては、まずイノシシ料理が挙げられます。西表島に生息する野生のイノシシはクセが少なく、煮込みや炒め物などがおすすめです。
また、沖縄そばの一種である「八重山そば」は、素朴な出汁とモチモチとした太めの麺が特徴。地元の食堂で気軽に味わえる定番メニューです。
さらに、周囲の海で獲れる新鮮な魚介を使った海鮮料理も充実しており、刺身やグリル料理などで地の味を楽しむことができます。
西表島のお土産で人気なのは、地元のサトウキビから作られる「西表黒糖」。自然な甘みとミネラルが豊富で、そのまま食べても料理に使ってもおいしい逸品です。
そのほか、「ちんすこう」や「紅芋タルト」といった沖縄らしい定番土産は、味のバリエーションも多く、ばらまき用にもぴったり。また、「月桃茶」や「モリンガ茶」といった健康志向のハーブティーも特産品として人気があります。
西表島は、日帰り・1泊2日・2泊3日と、どの日程でも島の魅力をたっぷり味わえる観光スポットです。限られた時間の中で豊かな自然やアクティビティを満喫するためには、しっかりとした事前準備がカギとなります。本記事を参考に、自分にぴったりな旅の計画を立ててみてくださいね。