ビエンチャン(Vientiane)は、ラオスの政治・経済の中心地でありながら、どこかのんびりとした空気が漂う都市です。メコン川沿いに位置し、タイのノンカイと国境を接しているほか、鉄道でバンビエンなどへのアクセスも良好のため、旅の拠点として便利。
市内には、フランス植民地時代の名残を感じさせるコロニアル建築が見られ、カフェ文化を満喫できるのも魅力です。ラオスを象徴する黄金の仏塔「タート・ルアン」といった寺院が点在。また、メコン川沿いのナイトマーケットや屋台でのローカルフードも楽しめます。
治安については比較的安定していますが、スリや置き引きといった軽犯罪には注意。さらに、政治的な話題はタブーとされており、公共の場での政治談義は避けるのが賢明です。
ビエンチャンはコンパクトな都市であり、市内の主要観光地は1日あれば十分に巡ることが可能です。タート・ルアン、パトゥーサイ、ワット・シーサケットなどの代表的なスポットを効率良く回るだけなら、日帰りプランでも満足できるでしょう。
ただし、ラオスのゆったりとした空気感を味わいながら、カフェ巡りやマッサージ・スパなどを楽しむのであれば、2〜3日の滞在をおすすめします。また、市内中心部だけでなく、郊外のブッダパークまで足を延ばすとなると1日では足りません。
ビエンチャンを拠点として、世界遺産の古都ルアンパバーンやアクティビティが充実したバンビエンなど、他都市と組み合わせた旅程を組むのも人気です。
ここからは、ビエンチャンのおすすめ観光スポットと名所をご紹介します。
ラオス仏教の象徴ともいえる黄金の仏塔「タート・ルアン」は、国章や紙幣にも描かれる国民的シンボル。寺院の内部には入れませんが、周囲を歩くだけでもラオスの宗教文化に触れることができます。敷地内に隣接する寺院や博物館は見学可能です。
入場料:10,000キープ(約70円)
所要時間:30分〜1時間程度
アクセス:市中心部から車やトゥクトゥクで約10分
ラオス版の「凱旋門」とも呼ばれるパトゥーサイは、フランス統治時代の影響を受けつつ、ラオスの建築美を取り入れた独自のデザインが印象的。門の内部には階段があり、上部の展望台からはビエンチャン市内を一望できます。特に夕方の景色はロマンチックで写真映えも抜群です。
入場料:登頂料は5,000キープ(約35円)
所要時間:30分程度
アクセス:市内中心部から徒歩またはトゥクトゥクでアクセス可
©︎Krzysztof Madej/Shutterstock.com
ビエンチャン最古の寺院のひとつであり、回廊に約6,800体もの仏像が並ぶ光景は圧巻! 建物自体も歴史的価値が高く、ラオス伝統の屋根装飾が施された建築を堪能できます。静かな境内は、心を落ち着かせたい旅行者にぴったりのスポットです。
入場料:10,000キープ(約70円)
所要時間:30〜45分
アクセス:パトゥーサイから徒歩圏内
かつてエメラルド仏が安置されていた歴史を持つ寺院で、現在は博物館として公開されています。館内ではラオスの仏像や装飾品などが展示されており、古代の宗教芸術を体感できます。庭園も手入れが行き届いており、散策にも最適です。
入場料:10,000キープ(約70円)
所要時間:30〜45分
アクセス:ワット・シーサケットのすぐ向かい側
ビエンチャン郊外にあるユニークなテーマパークで、巨大な涅槃仏やインパクト抜群の仏像、ヒンドゥーの神々などが並ぶ異空間。中でも「口から入って内部に登れる仏像」は見逃せません。写真好きや珍スポット好き必見です。
入場料:15,000キープ(約100円)、カメラ持ち込み料別途5,000キープ
所要時間:1〜2時間程度
アクセス:市内からバスで約1時間/トゥクトゥクやタクシーでも可(往復で150,000〜200,000キープ程度が相場)
毎晩、メコン川沿いにオープンするナイトマーケットは、観光客だけでなく地元の人々にも愛されるスポット。衣類や手工芸品、アクセサリー、屋台フードなどが並び、ラオスの庶民的な文化を肌で感じられます。川沿いの夕焼けも美しく、散策するだけでも満足感あり。
入場料:無料
所要時間:1時間〜自由に楽しめる
アクセス:市内中心部から徒歩圏内(ナンプ広場から近い)
ここでは、ビエンチャン滞在でおすすめのホテルを厳選してご紹介します。
Salana Boutique Hotel
メコン川近くに位置する4つ星のブティックホテル。伝統とモダンが融合した落ち着いた内装で、観光にもビジネスにも便利です。朝食ビュッフェやスパ施設にも定評があります。
宿泊料金:1泊約10,000〜15,000円
インターコンチネンタル系列の5つ星ホテルで、ビエンチャン最高クラスの滞在を提供。屋外プールやフィットネスセンター、国際色豊かなレストランも完備しています。
宿泊料金:1泊約18,000〜25,000円
コストパフォーマンスの高い3つ星ホテルで、清潔感のある客室と親切なスタッフが魅力。立地も良く、ナイトマーケットや主要観光地へのアクセスも抜群です。
宿泊料金:1泊約5,000〜8,000円
ビエンチャンはラオスの首都でありながら、治安は比較的安定しています。
しかし、観光地やナイトマーケット周辺では、スリや置き引きといった軽犯罪の報告があるため、貴重品の管理には十分注意しましょう。夜間の一人歩きや、人気の少ない通りを通ることは避けたほうが安全です。
また、寺院観光を予定している場合は、服装に配慮が必要。ラオスでは、露出の多い服装での寺院訪問はマナー違反とされ、入場を断られることも。ノースリーブやショートパンツは避け、肩や膝を隠せる服装を心がけましょう。暑い季節(特に4〜5月)でも羽織り物を1枚持参しておくと安心です。
加えて、寺院内や僧侶を撮影する場合は、許可を取ってから行うのがラオスのエチケット。ラオスの文化や宗教に敬意を持つことで、より充実した旅を実現できるでしょう。
ビエンチャンは、華やかさや派手なアクティビティは少ないものの、ラオスの素朴で温かみある文化を深く感じられる都市です。ラオスの宗教文化を感じさせる寺院や、フランス文化の残る街並みなど、ほかの東南アジア都市では得られない魅力があります。
1日の滞在で主要スポットを効率良く回れますが、ゆったりとした旅をするなら、2泊以上の余裕を持ったスケジュールがおすすめ。注意点を守りつつ、ぜひビエンチャンを楽しんでくださいね!