バリ島旅行でよく見かけるのが、Tシャツ短パン姿で寺院を追い返されたり、急なスコールでびしょ濡れになってしまう観光客です。
現地の気候や文化・宗教マナーを知らずに訪れると、せっかくのリゾート地を快適に過ごせないだけでなく、思わぬトラブルにつながることもあります。
この記事では、バリ島の気候や宗教的マナーに配慮した男女別のおすすめコーディネートをはじめ、寺院・ビーチ・高級レストランなど、シーン別にベストな服装をわかりやすく解説します。
旅行をより快適に、そして安心して楽しむために、現地の気候やマナーに合った服装を事前にしっかりチェックしておきましょう。
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服装を決めるうえで、まず押さえておきたいのがバリ島の気候です。
熱帯モンスーン気候に属するバリ島は、「乾季」と「雨季」で快適な服装が大きく異なります。
「晴れてると思ったら突然のスコール」「昼は汗だくなのに、夜はひんやり」など、現地の気候変動リズムを知らずに服装を選ぶと、せっかくの旅が台無しになってしまうことも珍しくありません。
ここからは、季節ごとの特徴と、気候に合わせた男女別のおすすめコーディネートを詳しくご紹介します。
バリ島の雨季は11月から3月頃まで続きます。
平均気温は約29℃、湿度は80%を超え、日本の真夏以上に蒸し暑く感じるでしょう。
午後にはスコールと呼ばれる激しい雨が突然降ることも日常茶飯事で、まさに「高温多湿+ゲリラ豪雨」がデフォルトの気候といえます。
雨季を快適に過ごすカギは、汗も雨もすばやく逃がす「速乾性」と、泥や水をはじく「撥水性」のある服装を選ぶことです。
レインジャケットやポンチョ、着替え用のビニール袋など、突然の雨への備えも必須です。
男性には、吸汗速乾タイプのTシャツに、薄手の長袖ラッシュガードを重ねるスタイルをおすすめします。
長袖は日差しや虫よけにもなるので、かさばらない一枚をバッグに入れておくと安心です。
ボトムスは、泥はねや急な雨にも対応できる撥水加工のハーフパンツや軽量トレッキングパンツが便利です。
足元は滑りにくいスポーツサンダルを選び、荷物はドライバッグや防水スマホポーチで突然の雨にも耐えられる準備をしておきましょう。
女性は、冷房の効いた屋内での冷えや日差しへの対策として、速乾性のあるタンクトップに薄手のUVカーディガンやシアーシャツを重ねるのがおすすめです。
ボトムスは、ワイドパンツやショートパンツの下にレギンスを履けば、虫よけや日焼け防止にも効果的です。
バリ島の寺院では、肩や膝を露出しない服装がマナーのため、訪れる予定がある方はストールやサロン、膝丈のワンピースを用意しておきましょう。
ストールやサロンは、冷房対策・雨避け・日差し除けと何役もこなしてくれる万能アイテムなので、バッグに1枚常備しておくと便利です。
足元は、靴底がゴム素材で滑りにくいラバーソールでストラップ付きのサンダルであれば、雨の日でも安心して履くことができます。
麦わら帽子や防水ポーチも用意すると、強い日差しや濡れた荷物への対策も万全です。
旅行シーズンとして敬遠されがちな雨季ですが、実は滝見学やラフティングなどの水辺アクティビティには絶好の季節です。
適切な服装と準備さえあれば存分に楽しめるため、しっかり整えて、雨だからこそ味わえるバリ島の別の魅力を体験してみてください。
乾季のバリ島は、湿度が低くカラッとした気候が魅力です。
日中は27〜29℃前後と過ごしやすい一方で、ウブドなどの高原エリアでは朝晩の気温が22℃程度まで下がることもあり、寒暖差への対策がポイントになります。
男性は、通気性の良い半袖シャツにショートパンツの組み合わせがおすすめ。
日差しが強い時間帯には、サングラスやUVカット素材のパーカーがあると日焼け対策も万全です。
薄手のダウンや軽量フリースなど、軽く羽織れる防寒アイテムを一枚用意しておくと、肌寒くなる朝晩にも備えられます。
女性におすすめのコーディネートは、ノースリーブワンピースに薄手のカーディガンを重ねる、涼しさと日焼け対策を兼ねた服装です。
ほかにも、風通しの良いパンツやロングスカートなどのボトムスであれば、バリ島のエキゾチックな雰囲気に合います。
朝晩の冷えへの対策として、大判のストールやリネン素材のジャケットも一着持っておくと良いでしょう。
パステルカラーの麦わら帽や籠バッグを取り入れると、写真映えもばっちりです。
なお、乾季の夜には星空観賞やテガララン棚田の朝霧撮影といった高地でのアクティビティも人気です。
標高が高いところや夜間は冷え込みが特に厳しくなるため、長袖の羽織りは必ず持参しましょう。
バリ島には日本のような四季が存在せず、1年を通して暖かいですが、乾季と雨季では気温や降水量が異なります。
観光の中心地クタでは、乾季の平均最高気温が約28℃、雨季は29℃と気温差はわずかです。
一方で降水量は、乾季が月に約41mmに対し、雨季は約291mmと7倍以上の大きな違いがあります。
気候ごとの違いを把握して対策すれば、訪れる時期に左右されず、快適な旅を満喫できます。
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バリ島では観光スポットごとに気温や服装のマナーが大きく異なります。
たとえば、ビーチでは涼しく動きやすい服が基本ですが、寺院では肌の露出を避けた装いが必要で、標高の高いウブドやキンタマーニなどの高原エリアでは、朝晩の冷え込みにも留意しなければなりません。
ここからは、バリ島旅行で訪れる代表的な6つのシーン別に、快適かつマナーを守った服装のポイントをご紹介します。
バリ島の寺院を訪れる際は、宗教的な礼儀として「肩と膝を隠す」必要があります。
2025年からは、サロン(腰巻き布)とサッシュ(腰帯)の着用が義務化され、服装のルールがより厳格になりました。
もしサロンを持っていなくても、現地では1万ルピア(約100円)からレンタル可能です。
以下の3ステップで正しく巻きましょう。
きつくしすぎると足さばきが悪くなってしまうため、腰から落ちてこない程度の強さで巻いてください。
寺院では派手な服装や露出の多い服は避け、静かに振る舞うのがマナーです。
神聖な場所を訪れるからこそ、敬意を持って身だしなみを整えましょう。
バリ島のビーチやプールに行く場合、日焼け対策はマストです。
乾季はUV指数が15前後と非常に高く、わずか10分で肌が赤くなることもあるため、曇りの場合も油断せずに、しっかり対策しましょう。
濡れてもすぐ乾く快適な素材で、水に入るときも着たままでOKの長袖のラッシュガードやUVカットパーカーがおすすめです。
足元は滑りにくいビーチサンダルを選び大判のストールやパレオを羽織れば、プールサイドやビーチでも便利でありながら上品な印象を纏えます。
バリの強い日差しから肌を守りつつ、こまめな水分補給も忘れずにリゾート気分を存分に楽しみましょう。
バリ島の高級レストランでは、リゾートフォーマルな装いが求められます。
多くの店舗でスマートカジュアル(Smart-Casual)がドレスコードとされており、ビーチ帰りのラフな格好のままでは入店を断られるケースもあります。
男性は襟付きのシャツに長ズボン、革靴やドレスシューズが基本スタイルで、女性はワンピースやロングスカートに、きれいめのパンプスを選ぶと好印象です。
タンクトップ・ビーチサンダルでは入店不可と公式HPに明記している、ウブドのKubu at Mandapa(クブ アット マンダパ)のように、具体的なNGアイテムを明記しているレストランもあります。
行きたいレストランが決まっている場合は、事前に公式HPを確認しましょう。
TPOに合わせた服装を選び、とっておきのディナータイムを楽しんでください。
バリ島で人気のスパやヨガなど、心と体を癒すリラックスタイムには、着替えやすく動きやすい服装を選ぶのがポイントです。
リラックスやマッサージの妨げになる着圧レギンスや締め付けの強い服は避けましょう。
血行が悪くなりやすいため、体調不良の原因にもなりかねません。
リネン素材のワンピースや、サッと脱ぎ着できるセットアップスタイルがおすすめです。
バリ島で、滝遊びやラフティング、シュノーケリングなどのアクティビティを楽しむときは、水に濡れても問題ない上下セットのラッシュガードとウォーターシューズを用意しましょう。
ラッシュガードは速乾性に優れ、濡れてもすぐに乾くため快適に動き回れます。
滑りにくく水にも強いウォーターシューズは、岩場や滑りやすい場所でも足元をしっかり守ってくれます。
思わぬ怪我をしてしまうことも少なくない川や海では、できるだけ肌の露出を減らし、体をしっかり保護することが大切です。
念入りに準備を行うことで、バリ島ならではのアクティビティを怪我なく存分に楽しんで思い出を作りましょう。
空港や機内は冷房が強く寒暖差で体調を崩しがちなため、薄手ながら防寒性に優れており温度調整に便利な多機能パーカーは、バリ島旅行の移動時に大活躍します。
複数の貴重品ポケットが付いているタイプなら、パスポートやスマホ、財布の管理もでき、防犯対策もばっちりです。
移動中の強い味方を賢く使って、荷物を減らしつつ利便性と安全性を向上させ、旅のスタートを快適にしましょう。
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バリ島旅行は、旅のスタイルによって必要な持ち物が変わります。
女子旅ならファッション性と機能性、ファミリーなら子どもの快適さや安全性を両立させたいところです。
また高級レストランでは、ドレスコードに適した服装も欠かせません。
それぞれの旅行タイプやシーンに合うアイテムを揃えて、楽しいバリ島滞在を実現させましょう。
女子旅でのポイントは、写真映えするおしゃれさと快適性を両立した万能なコーディネートの準備です。
ここでは4泊を想定した荷造り例を紹介します。
まず、白・パステルカラー・柄物のワンピース3着と、動きやすいショートパンツ1枚、多用途に使えるサロン1枚があると便利です。
ビーチと街中をスムーズに行き来できるよう、速乾性のあるブラトップ2枚と、羽織りとして使えるリネンシャツを1枚揃えておきましょう。
籠バッグやストローハット、シェルアクセサリーなどのアイテムは、リゾート感あふれるバリ島の写真にぴったりです。
また、SPF50以上の日焼け止め、アフターサンジェル、ヘアオイルの小分けボトルを忘れずに持参し、日焼け対策も万全にしましょう。
薄手のスウェットとシルクのアイマスクも用意しておくと、移動中の機内や冷房への対策も安心です。
SNS映えと機能性を両立した万能コーデを上下セットにまとめて圧縮ポーチで収納すれば、着回しに迷わず現地での準備の時短にもつながります。
ファミリーでのバリ島旅行は、子どもの快適さと安全を最優先にした荷造りが重要です。
子ども用に、速乾性のあるTシャツ4枚とショーツ4枚をまず準備しましょう。
現地のランドリーサービスを活用すれば、荷物の量を抑えつつ清潔な服をキープできます。
濡れてもすぐ乾き、肌を守る効果もあるラッシュガードは必須アイテムです。
水遊び用おむつとラッシュガードの上下を各2セット持っていくと、ビーチや水遊びも思う存分楽しめます。
バリ島は石畳の道が多いため、小さな子どもがいる場合は、ベビーカーよりも動きやすい抱っこ紐がおすすめです。
大人は、着替え用のTシャツ2枚とUVカットパーカーを1枚用意し、抱っこ時の汗対策としてタオルを3枚ほど持ち歩くとよいでしょう。
さらに、ピクニックや休憩時に活躍するゴザが1枚あると、ちょっとした場面で重宝します。
常備薬としては、解熱剤や整腸剤、経口補水パウダーをジップ袋にまとめておくと持ち運びやすく、いざという時に安心です。
また、熱帯地域のバリ島は蚊や蜂、クモなどの虫が一年中多く見られるため、虫よけスプレーも忘れずに準備しておきましょう。
カップルや一人旅でバリ島を訪れる場合、高級レストランでの服装選びは失敗できません。
ドレスコードとしてスマートカジュアルが求められるため、上品さとリラックス感のバランスが大切です。
男性は、襟付きのリネンシャツを2枚用意しましょう。
ボトムスはチノパン1枚があれば十分で、足元は軽量で折りたためる革靴を1足持っていくと便利です。
女性は、ロングドレス1枚とカーディガン1枚、サンダルはヒールが5センチ以下のウェッジタイプがおすすめです。
見た目が上品で歩きやすいため、長時間の移動でも快適に過ごせます。
また、日中の観光では、外の暑さと室内の冷房による寒さの両方に備えることが大切です。
吸汗性の高いTシャツが2枚あれば、汗をかいてもすぐに着替えられるためべたつきに煩わされづらく、通気性の良いショーツが1枚あれば、暑い日でも蒸れにくく快適に過ごせるでしょう。
サロンや大判ストールは寺院の入場時に腰に巻いて肌の露出を防いだり、冷房の効いた店内で羽織ったりと様々な場面で活用できるため、1枚持っておくと便利です。
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よくある質問と注意すべきNG行動をまとめました。
これを読めば、快適で安心な旅を楽しむためのヒントを見つけられるので、現地でのトラブルや失敗を防ぐためにも、ぜひ出発前にチェックしてください。
バリ島の寺院では肩や膝を隠す必要があり、タンクトップや短パンでは入場できません。
入口でサロン(腰巻布)やスレンダン(帯)を着用するようレンタルの案内されることが多く、拝観料にレンタル料が含まれている場合もあれば、別途かかることもあります。
なお別途料金の場合、10,000〜50,000ルピア(約90〜450円)程度が相場です。
高原エリアでは夜間に気温が下がり、22℃前後になることがあります。
急な気温の変化にも備えて、薄手のジャケットやカーディガンなど、羽織りものを1枚持っておきましょう。
バリ島では、ビーチやプールで水着を着て、上半身裸になることは一般的に許容されています。
ただし「バリ・ヒンドゥー教」では、人前で肌を露出することはタブーとされるため、ビーチやプール以外の場所では上着を羽織るなど、できるだけ肌の露出を控えましょう。
サロンは主に、綿、シルク、レーヨンなどが素材として使われており比較的薄手です。
ストールとしても使え、機内でのブランケット代わりにもなるため、1枚は持っておきましょう。
バリ島は、スパやカフェなどの施設も充実しているため、雨季でも十分に楽しめます。
雨具や速乾服を準備しておけば、雨季ならではのバリ島の魅力も十分に感じられるでしょう。
気候やシーンに合わせた服装選びは、バリで快適な時間を過ごす鍵になります。
乾季と雨季の特徴を理解し、寺院参拝やビーチ、高級レストランなど、目的に応じた服装を準備しましょう。
本記事の情報を参考にして荷造りし、トラブルを避けつつ思い切り楽しみ、バリならではの最高の思い出を作ってください。







