亜熱帯性気候に属する香港。年間平均気温は20℃前後、湿度は70～90％と、年間を通して高温多湿な気候が特徴です。

日本ほどメリハリのある四季ではないものの、香港にもゆるやかな四季があり、季節ごとに適した服装が異なります。春夏秋冬、季節ごとの香港の気候の特徴とおすすめの服装を以下にまとめました。

3～5月の春の香港の平均気温は17～26℃。この時期の東京の平均気温は9.4℃～18.8℃なので、東京よりも約10℃高い計算になります。

春の香港は暑すぎず寒すぎず、比較的過ごしやすいですが、3～4月は朝晩冷え込んだり、急に暑くなったり寒くなったりすることがあるため、羽織ものやストールなどで調節できるようにしましょう。

5月は平均気温が約25℃を超え、東京の夏のような気候になります。冬の香港は雨が少ないですが、春になるとしだいに降水量が増え、5月下旬頃から本格的な雨季に入ります。短時間の豪雨もあるため、急な雨に備えて、折り畳み傘などの雨具を持ち歩くといいでしょう。

3月は薄手の長袖のTシャツやシャツと薄手の上着が基本。１日の中でも寒暖差があるので、ジャケットやパーカーで調節できるようにするといいでしょう。4月以降は長袖１枚で過ごせる日が増えます。

湿度が高く、蒸し暑い5月は、日本の夏の服装と同様に考えましょう。通気性の良い素材を使ったアイテムが吉。ボトムはデニムよりも薄いコットン素材のパンツやショートパンツのほうが快適に過ごせるでしょう。

朝晩涼しい3月～4月は長袖のTシャツやブラウスに薄手のジャケットやカーディガンを合わせるなど、調節しやすい服装で出かけましょう。ボトムはパンツでもスカートでもかまいません。

5月は東京の初夏と同じくらいまで気温が上がるため、基本は半袖でOKですが、ショッピングモールや公共交通機関の車内などは冷房が寒いくらいにきいているため、冷房対策としてカーディガンなどの羽織ものがあったほうがいいでしょう。

蒸し暑い5月は、薄手のパンツまたはスカートやワンピースなど、軽やかなボトムがおすすめです。

香港に限りませんが、旅行中は思いのほか長時間歩くことも多いので、足元はスニーカーやフラットシューズなどの歩きやすい靴を選ぶといいでしょう。

6月～8月の夏の香港は、高温多湿が特徴。平均気温は27℃～29℃で、東京の21.9℃～26.9℃と比べると、2～5℃ほど高くなります。

日中の気温は30℃を超えることも多いため、紫外線対策やこまめな水分補給は必須。長時間炎天下で過ごすと熱中症のリスクもあるため、無理をせず、ゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。

屋外は非常に高温多湿な一方で、屋内では日本以上に冷房がよくきいているので、屋外と屋内の気温差にも注意が必要です。冷房で冷えやすい方は、夏もカーディガンなどの羽織ものが手放せません。

また、帽子やサングラス、薄手のショールなどがあると紫外線対策に活躍します。

夏の香港で気を付けたいのが台風。6月頃から台風が襲来し始め、7月～9月は本格的な台風シーズンにあたり、特に７月～８月は天気が不安定になりがちです。

香港では、台風の規模により5段階のシグナルが出され、シグナル8以上になると学校や会社が休みになるため、外出は控えたほうがいいでしょう。この時期は短時間で激しい雨が降ることもあるため、折り畳み傘に加えてレインコートがあると安心です。

基本は日本の夏と同じ。男性なら半袖のTシャツかシャツに、通気性の良いややゆったりとしたロングパンツまたはショートパンツのコーディネートがおすすめです。足元はスニーカーまたはサンダルで軽やかに。

サンダルを選ぶなら、スリッパタイプのものよりも、ベルトでしっかりと固定できるものを選ぶといいでしょう。

半袖のトップスにスカートを合わせる、さらりと着られるワンピースを1枚で着るなど、風が通りやすい服装を選びましょう。

パンツ派なら、熱がこもる細身のデニムなどよりも、麻混のゆったりとしたパンツなど、通気性の良いアイテムを選ぶのがおすすめです。足元は、サンダルならヒールがなく、ベルトなどで足にフィットするものが適しています。

9月はまだ台風のリスクがあるものの、9月以降、雨量は右肩下がりに減り、天気が安定してきます。

雨量と同様、秋の香港は気温も月を経るごとに低下。9月～11月の平均気温は18℃～27℃で、東京の12.5℃～23.3℃と比べると5℃前後高いものの、10月に入るとぐっと涼しくなってきます。

過ごしやすく、天候も安定している10月～11月は香港観光のベストシーズン。服装は東京の初夏や初秋をイメージして、日中と朝晩の寒暖差に対応できるようにするといいでしょう。

まだまだ暑い9月は夏の服装同様、半袖が基本。10月になると長袖の出番が増えますが、晴れの日が多いため、半袖が活躍することもあります。

暑がりな人は、半袖Tシャツの上に長袖シャツを羽織るなど、調節しやすい服装を選ぶと快適に過ごせます。秋の後半は、Tシャツやシャツだけでなく、薄手のジャケットやパーカーなどの上着も用意してください。

9月は夏同様、半袖のトップスにスカートを合わせたり、ワンピースをさらりと着たり、涼しさを意識した服装がいいでしょう。

10月～11月は、半袖または長袖のブラウスにカーディガンを羽織るなど、気温の変化に対応しやすい服装がおすすめです。朝晩の冷え込みに対応するため、薄手のジャケットやストールなどがあると安心です。

12月～2月の冬の香港の平均気温は16℃～18℃。東京の5.4℃～ 7.7℃に比べるとずいぶん暖かいですが、常夏ではないためある程度の寒さ対策は必要です。12月頃はまだ東京の秋のような気候ですが、年によっては急に寒くなることもあるので要注意。

冬の香港は降水量こそ少ないものの、曇りの日が多いため、1月～2月は日によっては10℃を下回ることもあります。厚手のダウンジャケットは必要ありませんが「香港は暖かいから」と油断しすぎないようにしましょう。

覚えておきたいのは、香港には暖房設備がない建物が多いこと。それどころか、公共交通機関やホテルでは冬でも冷房が入っていることがあります。部屋着やパジャマは暖かいものを用意し、寒がりな人は使い捨てカイロも持参すると安心です。

12月は長袖Tシャツやシャツに薄手のジャケットを重ねるなど、東京の秋のような装いを意識して。1月～2月は、薄手のニットと薄手のダウンジャケットを重ねるなど、適度に防寒対策をするといいでしょう。

天気が良ければ、日中はダウンジャケットが不要と感じられる日もあるため、コンパクトに持ち運びができるダウンジャケットが理想的です。

12月は長袖のTシャツやブラウスにカーディガンや薄手のジャケットを羽織るなど、日本の秋のような服装でOK。1～2月は薄手のニット＋薄手のダウンジャケットを基本に、その日の温度に合わせて調節できる服装を意識してください。

天気によっては気温以上に寒く感じられる日もあるため、スカートやワンピースを着たいなら、タイツやレギンスも用意しておくといいでしょう。

日本よりも暑く、湿度が高い香港。屋外で過ごす時間が長くなるディズニーランドでは、通気性の良い素材や風が通りやすい服装を選ぶと快適に過ごせます。炎天下での待ち時間に備えて、帽子やサングラスなど、紫外線対策ができるアイテムも必須。

ただし、春や秋は、日中は半袖で過ごせても、朝晩は冷え込んだり、冷房のきいた屋内では寒く感じたりすることもあります。天気によっても体感温度は大きく変わってくるので、重ね着で気温の変化に対応できるようにするといいでしょう。

また、ディズニーランドでは立ったり歩いたりする時間が長いため、足元はスニーカーがベスト。日頃から履き慣れた靴で出かけましょう。

なお、香港ディズニーランドでは、医療用マスクを除き、16歳以上のマスク着用は禁止されていることに注意が必要です。ディズニーキャラクターを代表すると思われる服装や、不適切な言語やアダルト素材がプリントされている服、過度に肌を露出する服なども着用が禁止されており、入場を拒否される可能性があります。

香港ディズニーランドの服装ルールについて、詳しくはホームページをご確認ください。

年間を通して暖かいとはいえ、香港にも四季があるため、季節によって気候が異なります。春夏秋服それぞれの特徴を知り、それに合った服装を選ぶと、慣れない旅先でも快適に過ごせますよ。