南の楽園・奄美大島は、鹿児島県に属する日本第5位の面積を持つ島で、青い海とマングローブ原生林など大自然の宝庫。成田空港・関西空港などから直行便で約2〜3時間でアクセスできるため、2泊3日でも、絶景・グルメ・文化体験を十分に満喫できます。
また、奄美大島の観光地は広範囲に点在しており、移動の自由度や効率を考えるとレンタカー利用が理想的です。ただし、運転ができない方でも旅を楽しむ方法はあります。宿や空港送迎付きのアクティビティツアーや、しまバスを賢く利用すれば、主要スポットのカバーが可能です。
旅の始まりは奄美空港から。レンタカーを借りて、さっそく北部の絶景スポットへ出発しましょう。
空港から車で約10分。あやまる岬は、青く澄んだ海が印象的な太平洋につき出した岬です。東の水平線には喜界島、北にはトンパラ岩が望めます。公園内の高台には「あやまる岬公園観光案内所」も。リラックスしたひとときを過ごせます。
住所:鹿児島県奄美市笠利町大字須野682
営業時間:通年
空港近くに位置する「みなとや食堂」は、奄美名物の鶏飯の発祥の店として知られています。すべて手作りで、町内産の鶏や天然の調味料を使用した鶏飯は一度味わうと忘れられない味。白米・砂糖・さつまいもで作る奄美伝統の飲み物「みき」もぜひご賞味ください。
住所:鹿児島県奄美市笠利町外金久81
営業時間:11:00~14:00(材料がなくなるまで)
奄美パークは、郷土資料館と田中一村美術館が併設された文化施設。奄美の自然や歴史、芸術にゆったり触れられる貴重なスポットです。田中一村は日本のゴージャンとも称される孤高の日本画家。彼の人生に沿って作品が展示されており、奄美での暮らしを通じて表現が変化していく様子は、静かな感動を呼び起こします。
住所:鹿児島県奄美市笠利町節田1834
営業時間:9:00~18:00(7月・8月は9:00~19:00)※入館は、閉園時間の30分前
定休日:毎月第1・第3水曜(祝日の場合は翌日)※4/29~5/5・7/21~8/31・年末年始は開園
「ブルーエンジェル」の愛称で親しまれる土盛海岸は、澄み切った青い海と真っ白な砂浜が織りなす、奄美屈指の絶景ビーチ。太陽の角度や時間帯によって、海の色がエメラルドグリーンからコバルトブルーへと移り変わり、まるで絵画のような美しさを見せてくれます。
夏は海水浴やシュノーケリング、冬は静かな浜辺での散策や記念撮影がおすすめです。
住所:鹿児島県奄美市笠利町土盛
名瀬の市街地のホテルにチェックイン。夕食は地元グルメを楽しめる郷土料理店などに行き、奄美の夜をゆったりと過ごしましょう。
マングローブカヌー体験と金作原原生林トレッキングがセットになったツアーに参加。マングローブカヌーは、日本最大級のマングローブ原生林を、水面からじっくり探検する人気アクティビティです。ガイドの案内で、カヌーに乗って生い茂るマングローブ林の中を進んでいきます。
干潮時には根っこが露出し、幻想的な風景に。運がよければ、野鳥やカニなどの生き物に出会えることもあります。
奄美の奥地に広がる亜熱帯の森「金作原(きんさくばる)原生林」は、手つかずの自然が残る秘境スポット。ガイドから固有種の動植物の解説を聞きながら安全に森を散策できます。ヒカゲヘゴなど巨大なシダ植物が生い茂る景観は圧巻! ジュラシックワールドの世界に迷い込んだような感覚に。
2日目の夜は、居酒屋で地元グルメに舌鼓。奄美黒糖焼酎を片手に、豚骨料理やもずくの天ぷら、島豆腐など、素朴で味わい深い郷土の料理をじっくり味わいましょう。活気あふれる雰囲気の中で旅の思い出を語り合えば、心に残る特別な夜となるはずです。
お腹も心も満たされたら、翌日の出発に備えて、ゆっくりホテルで休みましょう。
チェックアウトを済ませたら、スーパー「ビッグツー 奄美店」でショッピング。奄美黒糖焼酎や島味噌、伝統工芸の大島紬といった奄美大島のお土産がそろっています。
住所:鹿児島県大島郡龍郷町中勝字奥間前580
営業時間:10:00〜18:00
定休日:年2回の棚卸日 (2月と9月)
最後に海岸の岩場にぽっかり浮かび上がる、ハート型の潮だまり「ハートロック」へ。恋愛成就のパワースポットとして知られ、記念撮影を楽しむカップルや女子旅にも人気です。訪れる際は、必ず干潮時刻をチェックしてから向かいましょう。
住所:鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木 赤尾木1346‑1
レンタカーを返却し、搭乗手続きを。空港内には土産店もあるため、買い忘れたものを購入することもできます。
奄美は亜熱帯性気候のため、短時間のスコールのような雨が降ることも珍しくありません。そんな時は、屋内を中心とした観光も検討しましょう。
名瀬市内の「奄美市立奄美博物館」では島の歴史や民俗文化を学べるほか、「奄美大島紬村」では伝統工芸・大島紬の制作体験が可能です。雨の日でも奄美らしさをしっかり感じられますよ。
また、雨に濡れたマングローブは幻想的な風景が広がるため、レインウェアを用意すれば、カヌーツアーへの参加もおすすめです。
豊かな自然とゆったりした時間が魅力の奄美大島ですが、快適な旅行をするためには、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
都市部は問題ありませんが、金作原原生林では電波が届かない場所があります。遭難防止のためにも、現地に慣れた認定ガイドと散策することが重要です。
奄美大島で夜遅くまで営業している店は少なめです。夕食や買い物は早めに済ませましょう。
島内のスタンドは18〜19時頃に閉まる店舗が多く、夜は給油ができないことがあります。長距離ドライブの前には必ず給油を忘れずに。
奄美大島は2泊3日で絶景・自然体験・郷土料理を味わい尽くせる離島です。観光スポットが広範囲に点在しているためレンタカーがあると便利ですが、免許がない方でも空港送迎付きツアーなどを利用すれば、無理なく主要スポットを巡ることが可能。天気の変化や営業時間に注意すれば、大自然と穏やかな島時間に癒やされる旅を実現できます。