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「ヤワラート」とも呼ばれるバンコクのチャイナタウンは、バンコク中心部に位置する中華街。大都会バンコクの中でも特にパワフルな活気みなぎるエリアで、中国寺院や中国料理レストラン、市場などが点在する一帯は、タイにありながら中国文化の香りが色濃く漂っています。
寺院などの観光はもちろん、フカヒレをはじめとする中華街ならではのグルメ、食品・雑貨のショッピングなど、1日いても飽きないほどの多彩な魅力に満ちています。
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バンコクのチャイナタウンは、観光地化された中華街とは一線を画す、タイにおける古くからの中国文化の集積地。
近年はノスタルジックな街並みに調和する、古い建物を改装したリノベーションカフェや中国文化のエッセンスを取り入れたブティックホテルなどが増えており、レトロスポットとしても人気が急上昇しています。
いつ訪れてもパワフルな活気が体感できるバンコク・チャイナタウンがその本領を発揮するのは夜。一部の道路が歩行者天国になり、点心やタイ料理、スイーツなどの屋台が出て、毎日がお祭りのような様相を呈します。
2019年にMRT(地下鉄)ブルーラインが延伸されたことで、チャイナタウンへのアクセスがぐっと便利になりました。
旅行者にとってはMRTで行く方法が最もわかりやすいですが、ここではバスとボートでの行き方もあわせて、バンコク・チャイナタウンへの行き方を3パターンで紹介します。
バンコク・チャイナタウンの最寄駅はMRTブルーラインのワット・マンコン駅またはフアラムポーン駅です。チャイナタウンのメインストリートである「ヤワラート通り」は、ワット・マンコン駅から徒歩約3分。
一方、バンコク・チャイナタウンで最も有名な中国寺院のひとつ「ワット・トライミット」はファランポーン駅から徒歩約5分です。
バンコク・チャイナタウン周辺を通るバス路線は多数あり、代表的なものとしてスクムウィット通りを通る25番、40番、戦勝記念塔を通る204番、542番などがあります。
ボートでバンコク・チャイナタウンに行く場合は、チャオプラヤー・エクスプレス・ボートのN5ラーチャウォン船着場が最寄り。船着場からヤワラート通りへは徒歩約10分です。
バンコクのチャイナタウンは人通りが多く雑然としていて、独特の雰囲気があるため、慣れない人は少し面食らうかもしれません。ですが、観光地としても人気のスポットだけに治安は決して悪くはありません。
ただし、7月22日ロータリーの付近はあまり雰囲気が良くないため、夜間は近づかないほうが無難です。
大通りや人通りの多いエリアであれば、基本的には一人で歩いても問題ありませんが、日中であってもひとけのない路地には入らないほうがいいでしょう。バンコクのチャイナタウンは人通りも交通量も多いので、盗難と交通事故には十分注意してください。
大小のさまざまな店舗がひしめき合い、有名な市場もあるバンコク・チャイナタウンでは、食べ物や雑貨、衣類など色々なものが安く手に入ります。
チャルーン・クルン通りとヤワラート通りを結ぶ「イサラーヌパープ通り」は、細い路地全体が食料品店街になった市場。生鮮食品はもちろん、乾物やお茶、調味料など、日本人にとっては見慣れない珍しい食材がぎっしりと並んでいる光景は、見ているだけでも楽しめます。
観光客向けではなく地元客向けの市場なので、チャイナタウンらしいディープな雰囲気も感じられますよ。
バンコク・チャイナタウンを代表するショッピングストリートが「サムペン・レーン」。狭い路地の両側にアクセサリー、手芸用品、洋服、布地、靴、おもちゃなどを売るお店がひしめき合い、いつも人でごったがえしています。
卸売りがメインなのでバラ売りをしていないお店もありますが、値段が安いため、バラマキ土産の調達や掘り出し物の発掘にぴったりです。
チャイナタウンの西側にある「パーフラット市場」は、インドの民族衣装や布地、手芸用品、アクセサリーなどが集まる市場。
この周辺は「インド人街」とも言われ、本格インド料理のお店やシク教寺院もあります。
「クローントム」は、ショッピングセンター「クローントムセンター」を中核とするショッピングエリア。電気製品やバイクの部品など、さまざまな雑貨を扱う店が集まっており、一昔前の秋葉原のような趣があります。
出所のよくわからない商品も少なくないため、別名「泥棒市場」とも呼ばれています。土曜日の夜には電気製品のほか、玩具などの露天が並ぶナイトマーケットも開催され、さらにディープな雰囲気に。ありきたりの市場にはないカオスな面白さがあります。
舌の肥えた人をうならせる名店が点在するバンコクのチャイナタウンは、グルメスポットとしても人気。昔ながらのレストラン・食堂はもちろん、近年増加中のおしゃれカフェにも注目です。
高級食材のフカヒレがコスパよく食べられるお店として有名なのが、老舗中国料理店「和成豊(フアセンホン)」。
フカヒレをふんだに使いとろとろに仕上げたフカヒレスープのほか、海鮮料理や点心も充実していて、選ぶ楽しみも格別です。
日本人に人気の牡蠣の卵炒め「オースワン」の名店として知られるのが「ナイソウ」。熱々の鉄板の上には、ぷりぷりの食感がたまらないたっぷりの牡蠣とふわふわの卵。素材のうまみを生かしたシンプルな味付けで、お箸がどんどん進みます。
「ロントウカフェ」は、ユニークなロフト席があるおしゃれな空間でチャイナタウンらしく、おかゆや点心、お茶などが楽しめる人気カフェ。
なかでも、せいろにお粥と小鉢が並ぶおかゆセットは朝食にぴったり。フォトジェニックで見た目もワクワクします。
観光地化された中華街とは一線を画す、ディープな世界が広がるバンコクのチャイナタウン。近年は古い建物を改装したおしゃれなカフェやホテルが増え、ますます魅力が高まっています。買い物や観光を楽しみつつ、じっくりと歩いてこの街の魅力をたっぷりと堪能してはいかがでしょうか。