この期間は雨が少なく、日中の気温はおよそ20〜30℃。湿度も比較的低く、屋外を歩くのも快適です。一方で、雨季になると短時間で強い雨(スコール)が降ることが多く、観光のタイミングを調整しづらくなります。
とくに午後から夕方にかけてスコールが発生しやすく、観光のピークタイムに直撃する可能性も。雨量によっては道路が一部冠水し、バイクやタクシーの移動が難しくなることもあるため、旅の計画に支障をきたす恐れがあります。
そのため、天候に左右されず快適に観光できる乾季は、初心者にもおすすめのシーズンと言えるでしょう。
観光面では不安のある雨季のホーチミンですが、コスト面では魅力があります。航空券は乾季に比べて2〜3万円ほど安くなるケースが多く、平日や直前予約を狙えば、さらに低価格で航空券をゲットできる可能性もあるのです。
宿泊費についても、全体的に乾季より約20%前後安くなる傾向があります。ただし、高級ホテルやリゾートでは価格があまり変動しないこともあるため、宿泊したいホテルの情報は事前にチェックしておくと安心です。
ホーチミンを訪れる時期として注意したいのが、1月後半〜2月前半に行われる「テト」と呼ばれるベトナムを含むアジア諸国の旧正月です。日本の正月にあたるこの期間は、現地の人々が帰省や旅行をするため、空港や交通機関が非常に混雑します。
人気レストランやお土産店が休業することもあり、思ったように観光できないことも考えられるため、できれば日程をずらすのがおすすめです。
気候が良く、屋外を歩く観光にぴったりな乾季ですが、そんな時期にとくにおすすめしたい観光スポットをご紹介します。
@saiko3p / Shutterstock.com
ホーチミン郊外を流れるメコン川を小舟でめぐるクルーズは、乾季にこそ楽しみたいアクティビティ。雨の心配が少なく川の水量が安定しているため、安全で快適に水上マーケットや小舟での移動を楽しむことができるでしょう。
開園時間中の天候が安定している乾季は、ホーチミン動植物園の散策に最適。緑豊かな園内にはゾウやライオンなど多くの動物が飼育され、家族連れにも人気です。乾季は天候が安定しているため、暑すぎず歩きやすく、ゆっくりと見学できます。また、植物園エリアでは南国らしい植物も鑑賞できるでしょう。
@saiko3p / Shutterstock.com
サイゴンスカイデッキは、ホーチミンのランドマーク、ビテクスコ・フィナンシャルタワー内の展望台。乾季は空気が澄みやすく、遠くまで見渡せるため観光におすすめのタイミングです。市内の夜景やサイゴン川の眺望も格別で、写真撮影にもぴったり。
外国人にも人気の高い住宅街であるタオディエン地区は、カフェやベーカリー、インテリアショップが点在する洗練された雰囲気のエリアです。乾季の爽やかな気候のなか、テラス席でのんびり過ごしたり、街歩きを楽しむのにぴったりなスポットです。
雨季にホーチミンに訪れる場合は、スコール対策として、屋内施設や短時間で楽しめる場所を巡るのがおすすめです。ここでは、雨季に訪れたいホーチミンの観光スポットを見ていきましょう。
@FiledIMAGE / Shutterstock.com
ホーチミンを代表するローカル市場で、屋台グルメやお土産探しに最適なスポットです。大部分が屋内のため、雨を避けながらゆっくりと買い物や食事を楽しめます。ローカル文化に触れられる場所としても魅力的です。
@Andrew V Marcus / Shutterstock.com
市内中心部にある大型ショッピングモールで、ファッション、グルメ、映画館まで揃っています。外に出ずに1日中楽しめるため、雨の日でも快適。エアコンも効いており、蒸し暑さを避けて過ごせる点も嬉しいポイントです。
@salajean / Shutterstock.com
戦争証跡博物館は、ベトナム戦争の記録や写真、展示物を通じて歴史を学べる博物館です。すべて屋内展示なので、天候に関係なく見学できます。重厚なテーマではありますが、訪れる価値のある観光地として海外からの評価も高い場所です。
@saiko3p / Shutterstock.com
アオショーは、サーカスのような演出にベトナムの伝統文化を融合させた人気の舞台ショーです。オペラハウスなど屋内の美しい劇場で上演され、天候に関係なく楽しめます。幻想的な照明と音楽に包まれる体験は雨の日にぴったりです。
ホーチミンはマッサージ文化が根付いているため、マッサージやスパのお店が多く、本格的な施術を受けられます。リーズナブルな価格帯でありながら、サービスの質が高く、雨の日はもちろん、観光の合間の休憩や旅の疲れを癒すひとときとして最適です。
【乾季】
ホーチミンの乾季は観光に適したシーズンとされますが、強い日差しと紫外線には注意が必要です。日中の気温は30℃を超えることもあり、帽子やサングラス、日焼け止めクリームなどの紫外線対策は必須です。
また、乾季は観光ハイシーズンでもあるため、航空券やホテル料金が高騰しがちで、人気の観光スポットでは混雑が見られます。事前の予約やスケジュール管理をしっかりと行うことが、旅をより快適にするコツといえるでしょう。
【雨季】
一方で雨季は、スコールが1日に数回発生することも珍しくありません。突然の雨に備え、折りたたみ傘やレインコート、防水仕様の靴を用意しておきましょう。また、水たまりが増えることで蚊が発生しやすくなり、感染症リスクが高まるため、虫よけスプレーや長袖の衣類も必須。
さらに、道路の冠水による交通トラブルにも注意が必要です。移動には、渋滞や浸水を避けられる地下鉄や、天候に合わせて柔軟に使える配車アプリの利用がおすすめです。
ホーチミンは、天候によって楽しみ方が大きく変わるスポットです。ベストシーズンである乾季には屋外観光を満喫し、雨季にはコスパを重視して屋内スポット中心に回るのがおすすめ。ぜひ時期や天候などを見極めて、充実した旅行ができるよう計画しましょう。