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そもそもシンガポール旅行は2泊3日の短い日程でも楽しめるのでしょうか。
シンガポールは東京23区よりもやや大きいくらいの都市国家。狭い範囲にさまざまな見どころが集まっているため、半日程度の乗り継ぎ時間を利用してシンガポール観光を楽しむ人も少なくありません。
行きたい場所・やりたいことの優先順位を付けた上で、ある程度ポイントを絞る必要はありますが、一般的な観光旅行であれば2泊3日の日程でも十分に楽しめます。
2泊3日のシンガポール旅行の予算はどのくらいを見ておけばいいのでしょうか。
シンガポールの物価は日本よりもやや高め。以下に3つのパターン別の現地滞在費用の目安をまとめました(1室2名利用の場合の1人あたりの費用、日本・シンガポール間の航空券代は除く)。
シンガポールは観光地の入場料などが比較的高く設定されているため、ホテル代や食費を節約してもそれなりの費用がかかります。テーマパークを周る場合やショッピングをたくさんする場合などは、さらに出費が増えると考えておきましょう。
2泊3日の日程で、実際にどのようなことができるのでしょうか。ここでは、シンガポールの新旧の見どころをバランスよく楽しむモデルコースをご紹介します。
1日目:マーライオンと対面&マリーナベイの夜景堪能
1日目は朝早い時間帯に出発すれば、夕方からシンガポール観光が可能。初日は「シンガポールに来た!」と実感できる、マリーナ・ベイエリアを観光します。
8:15 成田国際空港発、いざシンガポールへ
14:25 シンガポール・チャンギ国際空港到着。市内中心部へ移動
16:00 ホテルにチェックイン。荷物を置いて観光へ
16:30 マーライオン公園
シンガポールのアイコン「マーライオン」と対面。近未来的なビル群をバックにマーライオン像が水を吐き出す光景は一見の価値ありです。マーライオンと対面した後は、開放的なウォーターフロントを散策しましょう。
18:00 ジャスティン・フレーバー・オブアジアでディナー
シンガポールで最も有名なシェフの一人に数えられるジャスティン・クエック氏がプロデュースするレストラン。マリーナベイの絶景とともに、シンガポールの伝統料理をアレンジした創作料理に舌鼓を打ってください。
20:00 マリーナベイ・サンズ
夜のシンガポールのお楽しみのひとつが、マリーナベイ・サンズ前のイベントプラザで毎晩2回(金曜・土曜は3回)開催されるナイトショー「スペクトラ」。音楽に合わせて水と光が踊るさまは見ごたえ十分で、無料とは思えないクオリティです。
20:45ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
近未来型植物園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイでも毎晩2回「ガーデンラプソディ」と題したナイトショーが開催されます。マリーナベイの夜景をバックに巨大な「スーパーツリー」が光り輝く様子は、シンガポールでしか見られない光景です。
2日目:世界旅行気分を堪能&ナイトサファリ
シンガポールの3大エスニックタウンが「チャイナタウン」「リトルインディア」「アラブストリート」。それぞれのエリアがコンパクトなので、テンポよく周れば1日で制覇でき、多民族国家ならではの世界旅行気分が味わえます。夜はシンガポール名物の「ナイトサファリ」でひと味違った動物園を楽しみましょう。
9:00 チャイナタウン
カラフルなショップハウスが軒を連ね、伝統的な街並みや中国文化に気軽に触れられるチャイナタウン。ブッダの聖遺物を祀る中国仏教寺院「佛牙寺龍華院」を見学したり、目抜き通りの「パゴダ・ストリート」でお土産を買ったり、中国式のマッサージで旅の疲れを癒したりと、思い思いの時間を過ごしましょう。大規模なホーカーセンター(屋台村)「マックスウェル・フードセンター」は腹ごしらえにもぴったりです。
13:00 リトルインディア
カラフルな民族衣装やお供えの花輪、極彩色の邸宅跡など、色彩にあふれたリトルインディア。インドの雑貨などを売るお店が並ぶ「リトル・インディア・アーケード」をのぞいたり「スリ・ヴィラマカリアマン寺院」でヒンドゥー教の世界に触れたりと、エキゾチックなムードに浸れます。
16:00 アラブストリート
アラブストリートは、イスラム文化の香りが色濃く漂うエスニックタウン。黄金色に輝く玉ねぎ型のドームをいただくサルタンモスクの周辺には、エジプトの香水瓶やトルコのモザイクランプなど、イスラム文化圏の雑貨などを扱うショップが並びます。ストリートアートが目を引く通り「ハジ・レーン」で写真撮影を楽しんだり、おしゃれなカフェでひと休みしたりするのもいいでしょう。
19:15 ナイトサファリ
シンガポールで最も人気のある動物園が、夜のみオープンする「ナイトサファリ」。動物との距離が近いため、夜行性動物の活発な姿を間近で見ることができます。トラムに乗って園内を周ったり、トレイルコースを歩いたり、アニマルショーやナイトショーを鑑賞したりと、楽しみ方も多彩。
3日目:新旧シンガポールの魅力を堪能
最終日の3日目は、1日目に見きれなかったマリーナベイの見どころに足を運んだ後、コロニアル建築探訪で、新旧のシンガポールの魅力に触れます。
9:00 シンガポール・フライヤー
「シンガポール・フライヤー」は約30分かけて1周する世界最大級の観覧車。シンガポール市街はもちろん、セントーサ島やインドネシアの島々までを見渡す絶景を堪能しましょう。
10:30 マリーナベイ・サンズ
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マリーナベイ・サンズ屋上にある空中庭園が「サンズ・スカイパーク」。空中に突き出た展望デッキは一般入場が可能です。56階建ての展望デッキからの眺望を楽しんだ後は「ショップス・アット・マリーナベイ・サンズ」へ。世界中の高級ブランドはもちろん、シンガポール発のショップやスーパーもあるのでお土産探しにもぴったり。お腹が空いたらレストランやフードコートで早めのランチをするのもいいでしょう。
14:30 ラッフルズホテル・シンガポール
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白亜の外観がロマンチックな「ラッフルズホテル・シンガポール」はシンガポールきってのコロニアルホテル。本格的な英国式アフタヌーンティーを楽しんだ後は、オリジナルグッズも販売するブティックをのぞいてみては。
16:30 セント・アンドリュース大聖堂
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ゴシック建築が印象的なシンガポール最大の大聖堂。美しいアーチの数々やステンドグラスから差し込む光を眺めながら、厳かな空気を感じてください。
17:30 クラーク・キー
バラエティ豊かなレストランやショップが集まる「クラーク・キー」は、シンガポールで人気のナイトスポット。ウォーターフロントのレストランやバーでくつろいだり、ライトアップされた景色を見ながら散策したりと、最終日の夜を思い思いに楽しみましょう。
19:30 空港へ移動
22:35 シンガポール・チャンギ国際空港発。帰国の途へ
これよりも早い時間のフライトで帰国する場合、最終日は早めにホテルをチェックアウトして空港へと向かいましょう。
都市国家とはいえ、シンガポールにはたくさんの見どころがあるため、2泊3日でシンガポールを満喫するには、現地滞在時間を有効に使う工夫が大切です。
2泊3日でシンガポールを満喫する最大のポイントのひとつが、現地滞在時間が長いフライトを選ぶこと。同じ2泊3日でも、フライトの発着時刻によって現地滞在時間が大きく変わってきます。1日目はできるだけ早い時間に日本を出発する便を、3日目は夜にシンガポールを出発する便(日本到着は4日目の朝)を選べば、現地滞在時間が最大化できます。
シンガポールにはユニバーサル・スタジオ・シンガポールなどのテーマパークや郊外の見どころもあるため、全てを網羅しようとすれば2泊3日ではとても足りません。2泊3日でシンガポールを満喫するには、行きたい場所ややりたいことの優先順位を付けて、優先度の低いものは潔く諦めることも大切です。
シンガポール市街を移動する際は、速くて時間が読みやすいMRT(地下鉄)が便利。一方で「次の目的地が近いけど、歩くには少し遠い」というときは、MRTに乗るとかえって非効率になることもあります。そんなときはタクシーを活用しましょう。シンガポールのタクシーは日本と同様メーター制で、ぼったくりなどのトラブルも少ないため、安心して利用できます。
すでに2泊3日のシンガポール旅行のモデルコースを紹介しましたが、あと1泊あれば以下のようなスポットにも足を運ぶことができます。
セントーサ島
セントーサ島は、シンガポール本土の南に位置するリゾートアイランド。ハリー・ポッターの世界観に触れられる「ハリー・ポッター ビジョンズ・オブ・マジック」、水上スライダーなどのアトラクションが楽しめる「アドベンチャー・コーブ・ウォーターパーク」、10万以上の海洋生物を展示する大型水族館「シー・アクアリウム」など、テーマパークや大型レジャー施設・体験施設が満載。
美しいビーチや多数のレストランもあり、1日や2日ではとても遊びきれません。
ユニバーサル・スタジオ・シンガポール(セントーサ島内)
セントーサ島内にさまざまあるテーマパークの中でも、定番中の定番が「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」。東南アジア唯一のユニバーサル・スタジオで「ハリウッド」「遠い遠い国」「古代エジプト」など、テーマに分かれた7つのエリアに20以上のアトラクションが点在しています。
日本のユニバーサル・スタジオにはないエリアやアトラクションもあるので、USJに行ったことがある人も新鮮な気持ちで楽しめることでしょう。市シンガポールのユニバーサル・スタジオはUSJに比べると平均待ち時間が短い傾向にあるため、時間を有効活用しやすい[春赤1] と言われています。
カトン
街歩きや写真が好きな人におすすめなのが、中国とマレーシア、ヨーロッパの文化が融合したプラナカン文化が息づくカトン。美しい装飾タイルに彩られた、パステルカラーのプラナカン建築が連なる光景はなんともフォトジェニックで、歩くだけで心躍ります。
古き良き時代の面影を残すカトンを訪ねれば、いい意味で従来のイメージとは異なるシンガポールの魅力に触れられることでしょう。
コンパクトな街に見どころが凝縮されたシンガポールは、短い日程で訪れるのにもぴったりの旅先。本記事でご紹介したモデルコースをアレンジして、あなただけの観光プランを作ってみてはいかがでしょうか。