台南は、台湾でもっとも古い都市のひとつであり、17世紀にはオランダ統治下で発展した歴史を持つエリアです。街中には数多くの廟(台湾の伝統的寺院)が点在し、住民の暮らしに進行文化が色濃く溶け込んでいます。さらに、台南は美食の街としても知られ、「小吃(シャオチー)」と呼ばれる手頃な価格の地元料理も人気。
近年はメディア露出やSNSなどでの口コミ評価も高まっており、台南は人気スポットのひとつとして、訪れる観光客の数も増えています。実際に2019年には台南に約22万人以上が訪問しており、日本語対応の観光マップやガイドブックの整備も進んでいることから、日本から訪れる方も少なくありません。
台北と台南は距離にして約310kmとなっており、国内移動としてはやや長距離ですが、交通機関の発達により快適に旅することができます。
台北から台南への主なアクセス方法は「新幹線」「鉄道」「バス」の3つです。ここでは、それぞれのアクセス方法の特徴や、どのような方に向いている方法であるのかをご紹介します。
所要時間:約1時間45分
料金:指定席 約1,350元(=約6,500円)
乗り場:台北駅 → 台南高鐵駅
【メリット】
新幹線(台湾高速鉄道)を利用するメリットのひとつとして、台北〜台南間を最短約1時間45分で移動できることが挙げられます。ほかのアクセス方法よりも移動の所要時間を短縮できるので、日帰り旅行にも適しているでしょう。
また、15分~30分間隔で運行しており遅延も少ないため、スケジュール調整がしやすいというメリットもあります。自由席であれば予約不要で乗車できるので、気軽に利用できるのもポイント。
さらに、仕様が日本の新幹線に近く、清潔で広い座席やトイレが設置されており、荷物置き場や車内販売も利用できます。このような点で、移動への不安や負担を軽減できることも魅力です。
【デメリット】
新幹線を利用するデメリットとして、台南の新幹線駅(高鐵台南駅)は、市街地中心の「台南駅(台鉄)」から約17kmと遠く、バスや鉄道で30分~40分程度の移動が必要であることが挙げられます。また、台北~台南の指定席料金が約1,350元(約6,500円)となっており、比較的値段が高め。
自由席は 1,245元(約6,000~6,200円)と少し安いですが、時期によって混雑が見込まれます。また、大型連休やシーズンによっては指定席が満席になることも多いので、早めの予約が必須といえるでしょう。
所要時間:約2時間30分~約4時間30分
料金:約730台湾ドル(約3,500円)
乗り場:台北駅 → 台南駅
【メリット】
台湾鉄道を利用するメリットとして、コストと時間のバランスがよく、急行(莒光号)や特急(自強号)など複数の選択肢があるため、旅のスタイルに合わせて選べることが挙げられます。また、台北駅・台南駅のいずれも市街地にあるため、観光スポットへのアクセスが良好で、寄り道したいときにもピッタリ。
新幹線に比べてゆったりとしているので、車窓風景を楽しみながら、のんびり移動できる点も魅力のひとつと言えるでしょう。
【デメリット】
台湾鉄道のデメリットとしては、新幹線と比較すると、天候や交通の影響により遅延が発生するケースが多いことがあります。荒天の場合はスケジュール通りの移動ができない可能性もあるので、天候はチェックしておきましょう。
また、駅舎や車内の表記は中国語が基本です。英語や日本語に対応していない場合もあり、アナウンスが分かりにくいため、しっかりと下調べをして行った方が良さそうです。
所要時間:約5~6時間
料金:410台湾ドル(約1200円)
乗り場:台北駅、西門町→ 台南駅、台南バスターミナル
【メリット】
長距離バスの一番のメリットは、料金が安いことです。新幹線に比べると5分の1ほどの料金で利用できるので、移動の費用を抑えたい方におすすめ。また、1日あたり約30本〜40本の便が運行しており、早朝や深夜便も利用できるため、スケジュールに柔軟に対応できる点もメリットといえるでしょう。
【デメリット】
ただし、バスは移動時間が長くなってしまう点がデメリットです。ほかの移動手段に比べて移動時間がかなりかかるうえに、快適さも劣るでしょう。そのため、移動中の疲労を軽減するために空いている時間を選んだり、快眠グッズを用意したりなどの対策をすることや、退屈さを感じないようなグッズを持っていくのがおすすめです。
また、バスは交通量の多い道路を利用するため、時期や天候によっては渋滞の影響を受けやすいというデメリットもあります。
こういった場合は、通常よりも時間がよりかかることがあり、時間通りに目的地に到着しないこともあるので、余裕を持ってスケジュールを組んでおく必要があるでしょう。
台湾新幹線や鉄道・バスのチケットは、各駅窓口や公式サイト、またはKKday・Klookなどの旅行予約サイトで購入可能です。日本語対応サイトでは割引キャンペーンが実施されていることもあり、外国人旅行者向けの特典も用意されているので、上手に活用してください。
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高鉄台南駅は市中心部から約17km離れているため、時間を有効活用するためにも、最適なアクセスを選んだり、スケジュールを立てたりすることがおすすめです。
鉄道を利用し、台鉄沙崙駅経由で台鉄台南駅へ乗り換えるルートであれば、所要時間は約20分です。費用は約25台湾ドルで利用でき、スムーズな移動が可能なので日帰りでも台南観光を楽しむことができるでしょう。
タクシーを利用すると所要時間は約20分~30分で、費用は約300台湾ドルです。電車を利用するより高めになりますが、乗り換えなどの不安を感じにくいです。バスはもっとも安いですが、本数が少ないためスケジュールに組み込むのが難しいことから、あまりおすすめはできません。
台北から台南へは、新幹線を利用すれば1時間半程度で移動できるので、日帰り旅行も十分楽しむことができるでしょう。具体的な楽しみ方をご紹介します。
モデルプラン例
8:00に台北を出発すると、9:30台には台南に到着します。午前中は赤崁楼や神農街を散策し、昼食には名物の担仔麺や牛肉湯を堪能しましょう。午後は安平古堡、安平樹屋を巡り、18:00に台南を出発すれば、19:30頃には台北に戻ることができます。
台南は歴史・文化・美食を存分に味わえる都市であり、台北からのアクセスも良好です。とくに新幹線は、所要時間が短く快適に移動できるので、日帰り旅行にも適しているでしょう。
一方、予算を抑えたい場合には鉄道やバスなどを上手に活用しながら、のんびりと旅を楽しむのもおすすめ。どのような旅行にしたいのかを考えながら、自分にぴったりの移動方法を選び、台湾の魅力をより深く堪能してみてはいかがでしょうか。