
タイの文化は仏教に深く根ざしており、多くの祭りでは仏像への礼拝や僧侶への托鉢、寺院への参拝が重要な儀式として組み込まれ、宗教的な厳かさと祝祭ムードが共存しています。
また、水や光を使った演出が多いのもタイの祭りならでは。これには「厄を流す」、「過去の身分を清める」といった仏教由来の意味があります。たとえばコムローイ祭りのランタンやソンクラーンの水かけなど、浄化や再生を象徴する行為が祭りの中心に据えられています。こうした幻想的な演出は、訪れる人々に非日常的な体験をもたらします。
また、年齢・国籍・身分を問わずに誰でも参加できる開かれた雰囲気が特徴です。こうした宗教性とエンターテイメント性、開放的な空気が融合したタイの祭りは日本では味わえない特別な体験になるでしょう。
今回はタイを代表する祭りを5つ紹介します。
タイ北部のチェンマイを中心に、毎年11月に開催される幻想的なコムローイ祭り。宗教行事「ロイクラトン」の一環として知られています。紙製のランタン(コムローイ)を空に放ち、厄払いや願い事をする行事です。
祭りの最大の見どころは、無数のランタンが一斉に空へ舞い上がる圧巻の光景。映画『塔の上のラプンツェル』のモデルにもなっており、SNS映えも抜群で、世界中のフォトグラファーや観光客に人気のイベントです。さらにタイ料理のブースも出店しているため、五感でタイの文化を堪能できます。
有料会場(チケット制)と無料で見学できるローカルエリアがあり、チケット制の場所は指定席があり、安全面や視界の良さが保証されています。一方、地元民が集まるローカルエリアは混雑が予想されます。タイを代表するお祭りであり、世界的にも知名度が高いため、早めに予約をしたり、ツアーに申し込むことをオススメします。
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タイの旧正月にあたる4月13日~15日に開催されるソンクラーン(水かけ祭り)は、タイ各地で盛り上がる大きな祭りです。もともとは仏像や年長者の手に水をかけて清めて敬意を払う宗教行事が起源ですが、現代では老若男女・国籍問わず誰でも参加できる水かけの祭典へと発展しています。
バンコクのカオサン通り、シーロム通り、チェンマイ旧市街などが特に盛り上がるスポットとなっており、水鉄砲やバケツ、ホースなどを使って、見知らぬ人同士で思いっきり水をかけ合うのがこのお祭りの醍醐味。童心に返って一体感を味わうことができるでしょう。
参加時は、防水スマホケースや着替え、小銭や防水バッグが必需品。水鉄砲は現地でも手軽に購入できます。また、スマートフォンや財布など濡らしたくないものは最小限にとどめるのがベターです。また、盛り上がりすぎてトラブルになるケースや盗難被害も報告されているので、貴重品の管理や行動には十分注意しましょう。
タイの今を肌で感じたいなら、ソンクラーンは一度は体験したいお祭りです。
ロイクラトンは、タイ全土で毎年陰暦(月の満ち欠けに基づく暦)12月の満月の夜に行われる伝統的な祭りです。クラトンと呼ばれるバナナの葉で作った灯籠にロウソクや花、願い事を乗せて川や池に流す行事として知られています。
水の女神(プラ・メー・コンカー)への感謝を捧げる行事で、「心の浄化と再スタート」するという仏教的な意味合いがあります。灯籠が水面に浮かびながら静かに流れていく光景は、まるで星が川を流れていくかのように幻想的で、厳かな気持ちになることでしょう。
コムローイが行われるチェンマイではランタンと一緒に見られるため、空に浮かぶランタンと水面を流れる灯籠の両方を一度に体験できるのも魅力です。また、スコータイでは美しい世界遺産が保存された歴史公園を舞台に伝統舞踊や花火、ライトアップされた遺跡とともに古都ならではの雰囲気を楽しむことができます。
タイの人々の祈りや感謝、再生の願いが込められたロイクラトン。静寂の中で水面に揺れる灯火の美しさは、一生忘れられない思い出になるはずです。
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キャンドルフェスティバルは、タイ東北部・ウボンラーチャターニー県で毎年7月に開催される雨季入りを告げる伝統の仏教行事です。仏教の三大祭の一つの「アーサラハ・ブーチャー」に合わせて、出家者(僧侶)に雨季中の読経用のロウソクを寄進する習わしが祭りへと発展しました。
この祭りのハイライトは、何と言っても巨大なロウソクの山車が町を練り歩くパレードです。美しく彫刻された山車が街中を練り歩く様子は圧巻で、日本の祭りにも通じる活気が感じられます。パレードには民族衣装をまとった人々の伝統舞踊も加わり、町全体が華やかな雰囲気に包まれます。
タイの文化と芸術の粋が詰まった唯一無二の祭り。観光客も参加できる体験イベントや写真撮影スポットも多く、タイらしい祭りの熱気と華やかさを存分に味わえます。
フルムーンパーティーは、タイ南部パンガン島のハードリンビーチで毎月満月の夜に開催される、世界的に有名なビーチパーティーです。世界三大レイブの一つとしても名高く、満月の夜には世界中のバックパッカーや若者が集まり、数千~数万人規模の観光客を動員する一大イベントとなっています。
ビーチ沿いにDJブースが設けられ、EDM、ヒップホップ、レゲエ、ハウスなど様々なジャンルの音楽が夜通しプレイされています。さらに蛍光色のタンクトップやTシャツに身を包み、発光塗料でフェイス&ボディーペイントをした来場者が多く、ファイヤーダンスやバケツカクテルを楽しみながら、日の出まで踊り明かします。
南国の解放感と一体感を存分に味わえるのが魅力ですが、飲酒によるトラブルや盗難が発生することもあるため、貴重品はしっかりと管理し、節度を持って楽しむことをおすすめします。
タイの祭りは、幻想的かつ、誰でも参加できる開放感が魅力です。コムローイ祭りやロイクラトン、ソンクラーンなど、それぞれが異なる歴史や文化を体験することができます。タイならではの熱気や人々の祈りに触れることができ、忘れられない思い出となるはずです。ぜひタイの祭りを体験し、特別な時間を過ごしてみてください。
なお、祭りの期間はホテルや交通機関が混み合いますので、早めの予約をおすすめします。






