ウブド王宮はバリ島ウブドの中心部にある宮殿で、19世紀の伝統的なバリ建築や文化を楽しめる人気の観光スポットです。
ウブド王宮は、かつてウブドを統治していたスカワティ家の宮殿として使用され、現在も王族の末裔が暮らしています。
本記事では、ウブドを初めて訪れる方に向けて、ウブド王宮見どころや周辺の観光スポットなどを詳しくご紹介します。
ウブド王宮は19世紀に建設された歴史的建造物で、正式名称は「プリ・サレン・アグン(Puri Saren Agung)」。
現在でもウブド王家の子孫が実際に生活している現役の王宮です。
「プリ」はバリ語で「宮殿」を意味し、「サレン」は王宮が建つ地域の名前、「アグン」は「偉大な」という意味を持ちます。
王宮の一部が一般公開されており、バリ建築の特徴である細密な彫刻や装飾を間近で見ることができるのが魅力です。
また、夜になると王宮の中庭ではバリ舞踊のパフォーマンスが行われ、海外からの観光客で賑わいます。
ウブド王宮の基本情報をご紹介します。
一般入場は18時頃までですが、毎晩19:30~21:00まで、宮殿内の中庭でバリ伝統舞踊の公演が行われています。
デンパサールからウブドまでは、車で約1~1時間30分ほどの距離です。
おすすめの交通手段は以下3つです。
デンパサールの街中やホテルでレンタルバイクを借りることができますが、外国人が運転するにはインドネシアの運転免許が必要です。
レンタルバイクだけでなくレンタカーも同様です。
もし免許がないまま運転して事故を起こした場合、海外旅行保険などの支払いが受けられません。
国際免許があれば大丈夫という誤情報も見かけますが、鵜呑みにしないようご注意ください。
街中でタクシーを捕まえる場合は、バリ政府の認可を受けているブルーバードタクシーを選ぶようにしましょう。
空港やショッピングモールで客待ちをしているタクシーを利用する場合は、他の観光と抱き合わせで料金交渉するとお得な料金で行くことができます。
観光客向けのシャトルバス会社が複数あり、デンパサールのホテルからウブドまで往復で送迎してくれます。
ウブド王宮からは帰りの交通手段がないため、帰り道の心配がないのは安心です。
旅行代理店やホテルで手配するほか、現地のツアー予約サイトで申し込むことができます。
ウブド周辺の観光がセットになっているツアーが多いため、ウブド周遊を楽しめます。
バスに乗るためには、コンビニなどで「e-moneyカード」を購入する必要があります。
デンパサールのバスターミナルからウブド方面行きのバスに乗ることができますが、運航スケジュールが不規則です。
料金は最も安いですが、到着までに時間がかかるため、ウブド王宮のあとに観光の予定がある場合はあまりおすすめできません。
ウブド王宮の歴史と見どころをご紹介します。
19世紀(200年前)に建設され、現在も王族の子孫が居住している現役の王宮です。
ウブド王家は20世紀初頭、バリ島の芸術振興に大きく貢献した王家として知られています。
かつてはオランダの植民地であったため、建物や装飾は西洋文化の影響を強く受けています。
ウブド王宮の「プリ・サレン」という正式名称は、「芸術の宮殿」を意味しており、バリの伝統芸術を守り継ぐことが重要な役割です。
特にかつての王、チョコルダ・グデ・スカワティ(1910-1978)の時代に、多くの西洋人芸術家をウブドに招き入れ、バリの芸術を世界に広める役割を果たしました。
また、バリを訪れたオランダ人やメキシコ人の芸術家の指導のもと、西洋の影響を受けた新しい舞踊や音楽が誕生しました。
王宮内にある、ウブド王家の歴史を物語る写真や調度品も見どころのひとつです。
ウブド王宮の最大の魅力は、伝統的なバリ建築様式を堪能できる点です。
王宮内には美しい彫刻や装飾が施された門や建物が点在しており、特に以下のスポットは見逃せません。
これらの建造物には、ヒンドゥー教の神話や物語を題材とした彫刻が施されており、バリの芸術性の高さが感じられます。
王宮内にはアンチャッサジと呼ばれる広い前庭があり、美しく手入れされた熱帯の花々や植物が植えられています。
フランジパニの花やハイビスカスなど、バリ島で多く見られる植物を観察できます。
また、石像や小さな祠も点在しており、バリのスピリチュアルな雰囲気を感じられるでしょう。
日曜日はアンチャッサジで子どものダンス教室が開催されていることもあります。
ウブド王宮で特に人気なのが、毎晩19:30から行われるバリの伝統舞踊のパフォーマンスです。
チケットは約100,000ルピア(約1,000円)程度で、公演の1時間前から販売が始まります。
代表的な演目は以下の通りです。
ケチャックダンスは、50人以上の上半身裸の男性が円になって座り、大合唱をしながらダンスを踊り始めます。
ウブド宮殿の荘厳な雰囲気の中行われるケチャックダンスは、観客を不思議なオーラで包み込みます。
また、パフォーマンスの際に使用されるガムランの音色や、美しい伝統衣装も見どころです。
混雑を避けたい場合は、比較的人が少ない早朝に観光するのがおすすめです。
開園直後は人が少なく静かなので、ウブド王宮の荘厳さが際立つおすすめの時間帯です。
舞踏公演を見るために夜来場する場合は、早めに到着して前列の良い席を確保することをおすすめします。
また、日本語ガイド付きのツアーに参加すると、ガイドブックに載っていないような興味深い話が聞けます。
王宮近くの寺院や市場も見どころがたくさんあるため、ウブド王宮観光とセットでスケジュールを組むとより楽しめるでしょう。
ウブド王宮の観光が含まれたおすすめのガイドツアーをご紹介します。
ガイドツアーを探す際は、自由散策ではなく日本語でガイドをしてくれるツアーを選びましょう。
ウブドのベストスポットを巡る日帰りツアーとなっており、料金は6名までで9,359円となっています。
ウブド王宮のほかに、アートビレッジや聖なる水のティルタエンプル寺院、バリオナガザルのいるモンキー フォレストなどが見られます。
ドライバー兼ガイドが貸切車両でスポットを巡り、日本語で見どころをご案内します。
日本語が話せるドライバー兼ガイドが、ウブド王宮を含む主要スポットに連れて行ってくれます。
料金は7名までで9,000円となります。
完全プライベートのツアーなので、ウブド市場でのショッピングやライステラスの見学など、行き先は柔軟に対応してくれます。
ウブド王宮はバリらしい伝統建築や装飾が美しく、フォトジェニックな写真が撮れるスポットがたくさんあります。
その中でも特におすすめのフォトスポットをご紹介します。
正門(コリ・アグン) | 美しい彫刻の門が印象的で、バリの伝統的な装飾が施されている |
宮殿内部の中庭 | 美しい庭園や、黄金色の彫刻が施された建物が見どころ |
アンチャッサジ(宮殿内のステージ) | 毎晩バリ舞踊が行われる場所で、日中はダンスレッスンが行われていることがある |
石像やガルーダ像 | バリらしい伝統的な彫刻や神話のキャラクターの像 |
バレ(東屋) | アンチャッサジを囲むように4つ建てられており、普段はガムランなどが置かれている |
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両手を胸の前で合わせるバリ風のポーズで撮りましょう。
建物は石造りのため、明るい色の服装で撮ると写真映えするのでおすすめです。
ウブド王宮を観光する際の注意点を押さえておきましょう。
バリの寺院や王宮を訪れる際は、露出を控えるなど敬意を表す服装が求められますが、ウブド王宮は宮殿のためNGな服装はありません。
短パンや肩が出るタンクトップでもOK、サロン(腰巻き)も着用しなくて大丈夫です。
ただし、王宮内は石畳で歩きにくいためヒールの高い靴は避け、スニーカーなど歩きやすい靴を推奨します。
また、日中は日差しが強いため、日焼け止めや帽子、日傘などを用意しておくのがおすすめです。
近くにモンキーフォレストという猿の保護区があるため、王宮内にも猿が紛れ込んで来ることがあります。
観光客の背中や頭に乗ってきたり、食べ物や持ち物を奪っていくことがあります。
特にキラキラしたものが好きなので、女性のブレスレットや髪留めなどを狙うことが多いです。
また、興奮させるとひっかかれたりかじられる恐れがあるため、猿が近づいてきたら刺激しないようにそばを離れましょう。
保護区の猿といっても野生の猿と変わらないため、追い払ったり攻撃するようなことはしないようにしてください。
居住区には現在も王族の子孫が暮らしているため、部外者の立ち入りは不可です。
居住区はプライベートゾーンのため写真撮影も不可となっています。
コリ・アグン(門)の奥が王族の居住区になっているため、入らないようご注意ください。
ウブド王宮では、個人ガイドが安い値段で声をかけて来ることがありますが、安易に頼まないようにしてください。
バリ島でツアーガイドを行う場合、インドネシア政府公認のガイドライセンスを取得する必要があります。
ライセンスのない個人ガイドに頼んでしまった場合、観光客側も罰則を受ける恐れがあります。
まれに日本語が堪能なタクシードライバーがガイドを申し出ることもあるため、こちらも軽はずみに依頼しないようご注意ください。
日本語のガイドを頼みたい場合は、観光ガイドツアーに申し込むのがおすすめです。
ウブド王国の観光が終わったら、周辺の観光スポットにもぜひ立ち寄ってみてください。
ウブド王宮周辺のおすすめ観光スポットを5つご紹介します。
ウブド王宮から徒歩3分ほどのところにあるサラスワティ寺院は、美しい蓮の池とバリの伝統建築が魅力の寺院です。
池に囲まれていることから、ウブドの「ウォーターパレス」とも呼ばれています。
ヒンドゥー教の学問・芸術の女神「サラスワティ」を祀っており、観光客にも人気のスポットです。
蓮の池が美しい寺院として知られており、写真スポットとしても人気があります。
また、寺院の横にカフェ・ロータスと反対側にスタバがあるため、店内から蓮の池を眺めるのも素敵です。
サラスワティ寺院は、夜になるとライトアップされるため、幻想的な寺院の姿を楽しむことができます。
ウブド王宮の向かい側に位置するウブド伝統市場(ウブド市場)は、地元の食材や工芸品を扱う活気ある市場です。
朝は地元の人々が食材を買い求める本来の市場として機能し、午後になると観光客向けのお土産市場へと変わります。
午後はバリ雑貨、アクセサリー、ポーチ、服などの布製品が豊富に揃えられているため、お土産選びにもちょうど良い場所です。
ただし、土産物店は定価がない店が多いため、価格交渉をしながら値段を決めます。
最初は高い値段を提案してくるので、言い値では買わず必ず値下げ交渉をしてくださいね。
サラスワティ寺院に併設されている老舗カフェ&レストランです。
カフェのすぐ横に蓮の池があるため、時期によっては咲き誇った蓮を眺めながらバリコーヒーを楽しめます。
また食事メニューは、モーニング・ランチ・ディナーに対応しており、インドネシア料理を中心にさまざまな料理がオーダーできます。
広い店内にはイス席の他に足が伸ばせる座敷席などがあり、インターネットから席の予約も可能。
ウブド王宮、サラスワティ寺院を観光したあとに必ず立ち寄りたいカフェです。
ゴア・ガジャ遺跡はウブド王宮から車で15分ほどのところにある、11世紀に作られたバリの歴史ある遺跡です。
象の洞窟と呼ばれる巨大な顔の彫刻が有名で、14世紀頃にこの遺跡が発見された際に、巨大な象の顔に見えたからというのが由来といわれています。
ゴア・ガジャ遺跡には、ヒンドゥー教だけでなく仏教の要素も残っており、両宗教が混在していた時代を物語っていると考えられます。
また、ゴアガジャの内部には、ヒンドゥー教の3大神(シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマ)が祀られており、パワースポットとしても人気です。
ウブド中心部からは車で約20分の場所に位置しており、バリ島で最も美しい棚田として世界的に有名な観光スポットです。
急な斜面に沿って階段状に作られた水田が織りなす景観は圧巻で、バリ島の農業文化を体感することができます。
また敷地内には、2本のヤシの木に括りつけられた巨大ブランコを始めとしたフォトジェニックな場所がふんだんにあります。
巨大ブランコでの写真はSNSでも見かけることが多いため、写真映えすること間違いなしです。
棚田を望めるカフェやレストランもあるため、美しい景色を眺めながらランチやティータイムを楽しむのもおすすめです。
4〜9月はバリ島の乾季にあたるため、晴天が多く観光に最適な日が多いです。
湿度が比較的低く過ごしやすい気候のため、屋外での王宮見学やバリ舞踊鑑賞も天候を気にせず楽しめます。
中でも6月は比較的観光客が少なめで、7月〜8月のピークシーズンほど混雑しないため、ゆったりと見学できます。
ただし、山間部のウブドは日が暮れると冷え込むため、少し厚手の羽織れるものを用意しておくのがおすすめです。
一方の雨季は観光客が少ないため、宿泊料金なども割安になりお得に旅行ができます。
ただし、雨季らしくスコールなどの豪雨が降ることが多いため、この時期に訪れる場合は折り畳み傘やカッパなどを準備しておくと安心です。
ウブド王宮は、バリ島の歴史と文化がぎゅっと凝縮された魅力的なスポットです。
19世紀に建てられた王宮では、バリ伝統の荘厳な建築、精緻な彫刻を見る事ができます。
また、夜にはバリ伝統舞踊のパフォーマンスも楽しめるため、一日を通して訪れる人々を魅了する観光地です。
王宮周辺のウブド市場や寺院、カフェなどの観光スポットも充実しているため、ウブドの魅力を存分に楽しんでください。