A.アブダビは伝統と格式のUAE首都、ドバイは観光とビジネスのUAE最大未来都市
アブダビとドバイはどちらもアラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国ですが、特徴や雰囲気が異なります。
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アブダビは UAEの首都であり、政府の中枢機能を担う行政の中心地。行政機関や官公庁が集中していて落ち着いた雰囲気があり、歴史や文化、石油資源による豊かさが際立つ格式ある街です。
ドバイは観光やビジネス、国際金融の拠点として発展しています。中心部には世界的に有名な観光スポットが多く、超高層ビルや世界最大級の施設が並ぶ近未来的な街並みです。
A.アブダビのほうが圧倒的に大きく、それぞれの中心地は車で約1時間半の距離
アブダビとドバイはお隣同士で、中心地の距離は約140km(車で約1時間30分)離れています。面積は圧倒的にアブダビが大きいものの、人口はほぼ同じで、2023年時点の人口はアブダビが約378万人、ドバイが約365万人となっています。
A.アブダビは「石油マネー」、ドバイは「ビジネス&観光マネー」
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アブダビは原油資源が豊富で、財源の多くは天然資源や石油産業・ガス産業。ただし近年は金融や航空宇宙産業などにも力を入れています。
ドバイは他の首長国ほど石油資源に恵まれていないため、早い段階から経済の多角化を進めてきました。その結果、現在は金融、不動産などのビジネス分野と、観光産業が大きな財源となっています。
A. ドバイのほうが、ホテル・レストラン・交通費などがやや高い
アブダビとドバイの物価はそれほど大きく異なりませんが、ドバイは観光関連のサービス(ホテルやレストランなど)の価格がアブダビよりもやや高め。特にドバイの中心地であるブルジュ・ハリファ周辺は高額になる傾向です。
ただしドバイは都市鉄道のメトロが発達しているので、交通費を安く済ませることができます。アブダビには電車がないため移動は公共バスやタクシーが中心になり、もしタクシー移動をメインにする場合、ドバイよりも交通費は高額になります。
ちなみに、世界の都市と比較した場合、両都市とも物価は平均より高め。マーサー『2024年 世界生計費調査(Cost of Living Survey)‐都市ランキング』(※)によれば、ドバイは226都市中15位で、アメリカのサンフランシスコやマイアミと同程度。アブダビは43位で、アイルランドのダブリンやオランダのハーグと同程度です(東京は49位)。
※調査項目には住居費なども含む
A.アブダビは伝統と近代の融合が感じられる。ドバイは開放的な雰囲気
アブダビは伝統と近代が融合した、落ち着いた雰囲気。
一方ドバイは観光スポットが多く、開放的な雰囲気です。
どちらの首長国もUAE人の民族衣装の着用率は高いものの、観光客は極端に露出度の高い服装でなければ、普段着で過ごして問題なし。ただしイスラム教の寺院であるモスクを訪問する際は長袖・長ズボンやロングスカートを着用することが必須で、女性は髪を覆い隠すスカーフも必要です。
お酒は行政からライセンスを得ているホテル内のレストランやバーで飲むことができます。
A.アブダビは文化や歴史が感じられるスポット、ドバイは近未来的な場所やエンタメスポットがおすすめ
アブダビとドバイ、それぞれのおすすめ観光スポットはこちら。世界最大級のモスクから近代的なショッピングモールまで、多様な魅力を持つ2つの都市を巡り、アラブ首長国連邦の魅力を満喫しましょう。
約4万人の礼拝者を収容できる、世界最大級の荘厳なモスク。建物全体が白い大理石に覆われ、金やクリスタルの装飾が施されています。内装は約12トンの巨大なシャンデリアや世界最大の手織りカーペットなどで美しく飾られていて、豪華絢爛という言葉がぴったり。非イスラム教徒も内部見学のツアーに参加可能です。
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フランスのルーブル美術館との協定に基づいて運営されている美術館。巨大なドーム状の屋根は金属の星型パターンで構成されていて、日中は建物内部に美しい光の雨が降り注ぎます。所蔵品は古代エジプトから現代まで幅広く、パリのルーブル美術館からの貸出作品としてレオナルド・ダ・ヴィンチやゴッホ、ピカソなどの作品も鑑賞できます。
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宮殿のようなアラベスク様式の建築が特徴的な、超豪華ホテル。合計40トンもの金箔をふんだんに使用した内装や、1kmを超えるプライベートビーチなど、規格外の壮大華麗さで宿泊客をもてなします。ホテル内のカフェでいただける、24金の金箔がかかった「金箔のカプチーノ」も人気。
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UAEの国鳥であるハヤブサを専門とした、世界で最大規模、かつ最先端の医療施設。毎年6000羽のハヤブサを診察・治療しています。病院内を見学できるほか、病院の庭では実際にハヤブサに触れることもできます。
また、鷹狩りの博物館が併設されていて、何世紀にもわたるUAEの鷹狩り文化の歴史と奥深さを学べます。
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828mの高さを誇る、世界一の高層建築物。近未来的なドバイの街並みでも圧倒的な存在感を放つ、ドバイを象徴する建築物といえるでしょう。世界一の高さから見渡す景色は、まさに圧巻の一言。
昼はどこまでも続く砂漠と近代的なビル群のコントラストが美しく、夜は宝石を散りばめたような夜景が広がります。
ドバイ・モールは、ブルジュ・ハリファのふもとに広がる巨大なショッピングモール。1200以上の店舗と2軒の大型デパート、数百の飲食店、水族館、スケートリンク、映画館などが入っていて、1日かけても楽しみきれないほどの規模です。
ドバイ・ファウンテンは、ドバイ・モールに面した12万平米の湖「ブルジュ・レイク」で30分ごとに行われる噴水ショー。最高高度140mまで水柱が舞い上がり、息をのむような壮大さを体感できます。
多くのクルーザーが停泊する洗練されたウォーターフロント「ドバイ・マリーナ」と、ヤシの木の形をした人口島「パーム・ジュメイラ」。どちらもドバイの洗練された都市開発の成果としてよく知られるスポットです。
ドバイ・マリーナではショッピングやグルメ、クルーズを、パーム・ジュメイラでは高級リゾートでの贅沢なステイを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ドバイをはじめとした中東の現代アートシーンを牽引する美術館。企画展やワークショップなど多彩なプログラムが開催されていて、いつ訪れても新しいコンセプトに触れられます。図書館やギャラリーショップ、ミシュラン掲載のレストランなども併設。アートを通して、ドバイの新たな一面を発見してみませんか。
アブダビとドバイは同じUAEの首長国でありながら、それぞれに独自の魅力と個性を持った都市。それぞれの中心部は車で1時間半ほどしか離れていないため、一度の旅行で両都市を訪れて、伝統と革新の両方の顔をもつUAEを体感できます。
ドバイのほうが観光スポットが多いため、例えばドバイに宿泊の拠点を置き、日帰りツアーでアブダビの名所を巡る方法も満足度が高いはず。ぜひこの記事を参考に、あなた自身の目でアブダビとドバイの違いを確かめてみてください。