韓国の市場には、その土地ならではの食文化や生活が息づいており、それぞれ違った魅力があります。
この記事では、初めて韓国を訪れる方に向けて、ソウルの魅力的な市場を6つご紹介します。
王道の東大門からあまり観光客が多くないちょっと珍しい市場まで、人気の飲食店やグルメをチェックしてください。
食べ歩きルートやおすすめの回り方、必食のB級グルメも解説しているので、食べ歩きを予定している方は参考に回ってみてくださいね。
東大門市場は24時間眠らない韓国最大の卸売市場で、ファッション関連の店舗が多く集まるエリアとして知られています。
ミリオレや2024年にニューオープンしたDANDANなどのショッピングモールで、プチプラファッションやアクセサリー、お土産などなんでも手に入ります。
市場内は24時間営業の店も多く、夜のショッピングや食べ歩きも楽しめます。
東大門市場の基本状況をご紹介します。
【営業時間】
ショッピングエリアは8時~18時頃(品目により異なる)
飲食店は24時間空いている店もある
【定休日】
日曜日、元日、旧正月・秋夕の連休など
【アクセス】
地下鉄1号線、4号線「東大門(トンデムン)」駅の8番または9番出口
地下鉄2号線、4号線、5号線「東大門歴史文化公園駅」の1番出口
たくさんのお店でひしめき合う東大門市場の中でも、特におすすめの飲食店は4つです。
【陳玉華ハルメ元祖タッカンマリ】
タッカンマリ横丁にある大人気店で、日本人観光客も多く見かけます。
「思わず無言になってしまうほど次元が違う」と言われている味なので、並んでも食べるべき逸品といえます。
【ユジョン食堂】
ここに来れば伝統的な韓国料理がなんでも食べられるという安心感があるお店です。
24時間営業なので朝昼晩いつでも行ける、使い勝手の良いお店です。
【キョチョンチキン 東大門1号店】
韓国で人気のフライドチキンのチェーン店で、イートインもテイクアウトもOKです。
ショッピングの合間の小腹が空いたときにスナック感覚で食べられます。
【ソルビン 東大門店】
かき氷が人気のお店です。
午前1時まで営業しているので、たくさん食べ歩いた後の締めのスイーツにぴったり。
タッチパネルオーダーなので韓国語が分からなくても大丈夫ですよ。
必食のB級グルメとして推したいのが、「テンチョ・トンデムン・ヨッキトッポッキ(東大門別館)」です。
ここのトッポッキは激辛で有名なので、激辛好きの方はぜひ挑戦してみましょう。
東大門は、焼き魚横丁、タッカンマリ横丁など、それぞれの専門店が集まる通りがあるのが特徴です。
食べたいものがある場合は横丁へ、食べ歩きを楽しむには、ファッションビル周辺の屋台やフードコートを巡るのがおすすめです。
東大門市場を堪能するには、王道の陳玉華ハルメ元祖タッカンマリ、トッポッキやおでんを食べ歩きしたあと、ショッピングモールで腹ごなし。
キョチョンチキンを食べながらビールで休憩、最後にソルビンで締めるのがおすすめの回り方です。
最新のファッションアイテムや、おしゃれアクセサリーが手頃な価格で手に入ります。
また、プチプラコスメやセルフネイルのパーツなどを購入することもできます。
韓国らしいデザインの洋服やバッグなどはお土産にも最適です。
南大門市場はソウル最大の伝統市場で、さまざまなジャンルの商品がなんでも揃っています。
市場内の路地を歩きながら、屋台や小さな食堂で地元の味を楽しむのが人気の市場です。
特に、カルグクス(平打ち麺)横丁やホットック(韓国風おやき)屋台は見逃せません。
南大門市場の基本情報をご紹介します。
【営業時間】
店舗によって異なる
【定休日】
日曜日、元日、旧正月・秋夕の連休など
【アクセス】
地下鉄4号線「会賢(フェヒョン)駅」の5番出口または6番出口
明洞から徒歩10分
南大門市場で人気のおすすめ飲食店を4つご紹介します。
【巨済食堂】
南大門のカルグクス横丁で、カルグクスやビビンバが食べられる大人気の食堂です。
優しい出汁の風味などの味もさることながら、カルグクスを頼むとミニ冷麺が、ビビンバにはカルグクスがついてくるなどコスパが最強なのが魅力です。
【野菜ホットック(屋台)】
韓国では珍しい甘くないホットックが食べられます。
玉ねぎなどの野菜と春雨をタレに絡めたものが中にたっぷりと入っていて食べ応えがあります。
市場を歩いていると、ここのホットックを歩きながら食べている人たちとよくすれ違うため、お店の場所が分からなくても大丈夫です。
【タッチンミ】
鶏の骨からとったスープを何時間も煮込んだ料理、タッコムタンが人気の老舗です。
鶏肉とネギだけのシンプルな料理なので、暑いソウルの夏の観光で食欲がなくなっても食べられますよ。
【中央食堂】
日本ではあまり見かけない太刀魚の煮つけ(カルチジョリム)が看板メニューの老舗食堂です。
こちらのカルチジョリムは柔らかく煮つけてあり、辛さ控えめなので日本人でも食べやすいのが魅力。
太刀魚横丁の中でも特に人気のお店なので、魚料理が好きな方はぜひ立ち寄ってみてください。
南大門市場の必食B級グルメは、行列のできる肉まん屋さん、「カメコル イェンナル ソンワンマンドゥ」です。
ほんのりと甘くモチモチした食感の皮に、特製タレで味付けされた玉ねぎやニラなどの野菜と豚肉の餡がぎゅっと詰まっています。
辛口(メウンマッ)と普通(スナンマッ)の2種類があるので、両方買って食べ比べるのがおすすめです。
南大門市場は商店街なので、道に並んだ屋台で気になった食べ物を買って食べ歩きするのが人気の楽しみ方です。
フェヒョン駅の5番出口から出た通りがメインなので、まずはここからスタートしましょう。
甘くない野菜ホットックはこの通りで購入できます。
コムタンスープや平壌冷麺、カルグクス横丁のカルグクスなどもおすすめなので、ぜひお試しください。
韓国の伝統的な工芸品やキムチ、海苔などの食品類が豊富に揃っています。
また、韓国の伝統的な食器や雑貨も手に入るため、お土産探しにも適しているでしょう。
ローカルに愛される下町情緒あふれる市場で、食べ歩きの聖地として有名です。
特に緑豆チヂミ、麻薬キンパ、ユッケは外国人観光客に大人気のグルメと言われています。
韓国の人気屋台グルメはここでほぼすべて食べられます。
広蔵市場の基本情報をご紹介します。
【営業時間】
卸売り店舗は午前9時頃から午後6時頃まで
飲食店は23時頃まで営業している店舗が多い
【定休日】
日曜日、元日、旧正月・秋夕の連休など
【アクセス】
地下鉄1号線「鐘路5街(チョンノオーガ)駅」の7番出口から徒歩5分
地下鉄2号線「乙支路4街(ウルチロサーガ)駅」の4番出口から徒歩10分
広蔵市場のおすすめ飲食店を4つご紹介します。
【故郷カルグクス】
Netflixの番組で紹介されたカルグクスの大人気店です。
看板メニューのカルグクスは海苔と韓国かぼちゃだけのシンプルな見た目ですが、汁があふれ出て来るもっちもちの麺が他店とは違います。
お店を一周するくらい行列ができていることもありますが、回転が良いのでさほど待たずに食べられます。
【麻薬キンパ(モニョキンパ)】
麻薬キンパの元祖として有名なお店で、市場内に2店舗を構えています。
にんじん、ほうれん草、たくあんが入ったひと口サイズのキンパなので、食べ歩きのひとつとしてピッタリです。
【プチョンユッケ】
ユッケ専門店が多い広蔵市場の中でも人気なのがここです。
新鮮なユッケやレバ刺しが食べられるということで、ミシュランガイドの常連になっています。
ユッケやレバ刺しは日本では食べるのが難しくなってしまったので、ユッケ・レバ刺し好きな方は立ち寄ってみましょう。
【広蔵ヌルンジタッカンジョン】
韓国産鶏肉に甘辛いタレがかかった唐揚げで、冷たいビールと相性抜群です。
テイクアウトができるためお土産にしてホテルで食べても良いですね。
広蔵市場はB級グルメの宝庫ですが、特に緑豆チヂミ(ピンデトク)がおすすめです。
ピンデトクは広蔵市場の名物なので、見かけたらぜひ食べてみてください。
市場内で緑豆チヂミが食べられる店舗はいくつかありますが、おすすめは「元祖スニネピンデトク」です。
カルグクスを食べた後は、「うまいもん通り」でお腹の許す限り食べ歩きをするのがおすすめです。
うまいもん通りは、地下鉄1号線鐘路5街駅8番出口からすぐのエリアです。
そして食べ歩きの最後は、「広蔵市場チャプサルクァベギ」で、もち米を使ったツイストドーナツをいただきましょう。
さきほどご紹介した、緑豆チヂミで有名な元祖スニネピンデトクの向かい側にあります。
韓国海苔やキムチ、アーモンドのお菓子などが人気で、さまざまなフレーバーのアーモンド菓子は試食も可能です。
また、韓服の生地や伝統的な布製品が手に入るため、お土産として布製の小物などもおすすめです。
景福宮の西側に位置するローカル市場で、「お弁当カフェ」というシステムが人気です。
さほど広くない市場なので、15分~20分程度で散策できます。
「時間がないけど食べ歩きはしたい!」「市場の雰囲気を味わいたい!」という方におすすめの市場です。
通仁市場の基本情報をご紹介します。
【営業時間】
午前7時から午後8時まで(店舗により異なる)
【定休日】
毎月第3日曜日
【アクセス】
地下鉄3号線「景福宮(キョンボックン)駅」の2番出口から徒歩約10分
地下鉄5号線「光化門(クァンファムン)駅」の7番出口から徒歩約15分
通仁市場でおすすめの飲食店を2つご紹介します。
【元祖チョンハルモニトッポッキ】
油で炒めたトッポッキは外がサクサク、中はふんわりした独特の食感で食べ始めると手が止まりません。
辛口としょうゆ味の2つがあるので、ぜひ食べ比べしてみてください。
表面がサクサクしたトッポッキは韓国でも珍しく、ここでしか味わえないグルメと言えます。
【お弁当カフェ】
1階の店舗で好きなおかずを選んでオリジナル弁当を作ることができます。
市場の2階で専用コインを購入しお弁当の容器を受け取ったら、市場内のお店でコインとおかずを交換しながら自分好みのお弁当を完成させます。
少量ずつ色々なグルメを楽しみたい人や、外国人観光客に人気のイベントです。
通仁市場のおすすめは、クジョルパンという野菜や肉などをカラフルなクレープ生地で包み、酢醤油やからしをつけて食べる韓国の伝統料理です。
もちもちの生地とシャキシャキ野菜の組み合わせがおいしく、見た目もかわいいのでぜひご賞味ください。
お弁当カフェを楽しむなら、景福宮サイドから市場に入るようにしてください。
お弁当カフェは量が多いので、たくさん食べたい方はお弁当、少量で良い方は自分で食べ歩きするのがおすすめです。
春先から夏場に行く場合は、その季節だけ飲めるスイカジュースも頼んでみるのもいいですね。
市場内で販売されているおかずやキムチ、お弁当などの食品類をテイクアウトして食べるのもおすすめです。
また、お弁当カフェで使用する専用コインが余ったら記念に持ち帰ることもできます。
市場の2階では、専用コインのキャラクターグッズも購入できますよ。
中部市場は乾物や海産物の干物、キムチなどが豊富に揃う市場として知られています。
市場内を散策しながら、乾燥したイカや魚を試食したり、キムチや海苔などのお土産を購入したりするのがおすすめです。
中部市場の基本情報は以下の通りです。
【営業時間】
午前4時頃から午後6時頃まで(店舗により異なる)
【定休日】
日曜日、元日、旧正月・秋夕の連休など
【アクセス】
地下鉄2号線、5号線「乙支路4街(ウルチロサーガ)駅」の7番出口から徒歩3分
地下鉄5号線「東大門歴史文化公園(トンデムンヨッサムナコンウォン)駅」の7番出口から徒歩6分
中部市場の中でおすすめなポイントは2ヶ所あります。
【乾物や干物】
中部市場といえば乾物や干物、昆布などが安くて有名なので、大量に購入したい方は東大門市場よりこちらがおすすめです。
日本でも燃焼スープとして人気のプゴクの材料となるスケトウダラの干物や、干しエビなども安く手に入ります。
【キムチや韓国海苔店】
キムチや韓国海苔などは各店舗で試食できるため、あちこちで食べ比べしてみるのがおすすめ。
また、明太子やドライフルーツなども安価に手に入るので、中部市場は隠れたお土産の穴場スポットです。
鷺梁津水産市場はソウル最大の水産市場で、毎日新鮮な魚介類が揃っています。
1階の鮮魚店で好みの魚介類を購入し2階の食堂で調理してもらい、その場で新鮮な海鮮料理を楽しむスタイルが人気。
韓国でお刺身や新鮮な魚介類を食べたい方はこちらの市場がおすすめです。
鷺梁津水産市場の基本情報は以下の通りです。
【営業時間】
卸売り店舗は24時間(店舗により異なる)
2階の食堂は店舗により異なる
【定休日】
日曜日、元日、旧正月・秋夕の連休など
【アクセス】
地下鉄1号線「鷺梁津(ノリャンジン)駅」の1番出口から徒歩5分
※旧館と新館があります。
鷺梁津水産市場のおすすめポイントは以下2つです。
【新鮮な魚介類が食べられる】
魚のお刺身はもちろん、カニやアワビ、カキなどの料理もリーズナブルな料金で食べられます。
特にカニ、ブリ、マグロなどが人気で、刺身にごま油をかけるなど、珍しい食べ方も体験できます。
サンナクチ(イイダコの踊り食い)を食べたい方はここで食べるのがおすすめです。
各鮮魚店では値段交渉もできるので、楽しみながらお得に買い物してみましょう。
【ガイド付きツアーがある】
韓国語で魚介類を購入したり、調理方法を伝えたりするのに不安がある方は、ガイド付きツアーに申し込むと安心です。
少々割高にはなりますが、半日で効率よく回れるため、時間が限られている方にもおすすめです。
数日前の予約が必須のツアーも多いため、旅行前にインターネットで予約しておきましょう。
2階の食堂で購入した魚介類を調理してもらう際には、以下のように伝えましょう。
・蒸し → 찜 (チム)
・焼き → 구이 (クイ)
・生/刺身→ 생 (セン)/회(フェ)
・炒め → 볶음 (ポックム)
・さっと茹でる → 데침 (テチム) または 살짝 데친 (サルチャク テチン)
・辛い鍋 → 매운탕 (メウンタン) または 매운 찌개 (メウンチゲ)
・辛くない鍋 → 순한탕 (スナンタン) または 순한 찌개 (スナンチゲ)
・辛く → 맵게 (メッケ)
・辛くなく → 맵지 않게 (メッチ アンケ)
・辛さ控えめに → 덜 맵게 (トル メッケ)
「辛さを控えめに」と注文したい場合は、「덜 맵게 해주세요. (トル メッケ ヘジュセヨ)」と伝えてください。
韓国の市場をより快適に巡るためにはいくつかの注意点があります。
市場ごとに特徴や習慣が異なるため、事前に知識を入れておくことで、韓国の市場文化をより深く楽しむことができるはずです。
日曜日や元日、旧正月、秋夕など韓国の連休時は基本的に市場はお休みです。
夏休み時期なども営業時間が変更になることがあるため、営業しているか事前に確認するようにしましょう。
また、市場は早朝が一番活気があって新鮮な食材が揃っています。
市場によっては夕方に閉まるため、できれば午前中に行くのがおすすめです。
反対に、屋台やお酒を提供するような食堂などは夕方から開店する場合もあるので、お目当てのお店に行く際は営業時間を確認してくださいね。
どの市場も日中は観光客などで混雑するため、余裕を持って移動するようにしてください。
市場によってトイレの清潔さに格差があり、水洗ではないトイレもまだ多いので、苦手な方はデパートや地下鉄駅のトイレを利用するようにしましょう。
また、携帯用ティッシュやウェットティッシュ、除菌シートなどもあると便利です。
市場の飲食店や屋台は、現金のみの店も多いため、小額紙幣と硬貨を用意しておくようにしましょう。
チェーン店や東大門市場などの大型店舗では、クレジットカードや電子マネーの利用も可能です。
韓国の市場は、単なる買い物の場所ではなく、その土地の文化や人々の暮らしを肌で感じられる特別な空間です。
24時間眠らない東大門市場、伝統的な韓国グルメを味わえる南大門市場、食べ歩きが人気の広蔵市場、通仁市場。
中部市場では歴史ある商店街の雰囲気と本場の味を、鷺梁津水産市場では新鮮な海鮮料理を堪能できます。
初めて訪れる方は市場グルメを楽しみながら、それぞれの市場が持つ独特の雰囲気や味わいを楽しみましょう。
グルメを堪能した後は、市場でお土産も探してみてくださいね。