旅行を計画する際の時期選びは、旅が最高の思い出になるか、イマイチな記憶になるかを左右する重要なポイントです。
気候や観光スポットの混雑状況、韓国と日本で政治的な緊張が高まる時期など、さまざまな要因を考慮する必要があります。
本記事では、初めて韓国を訪れる日本人旅行者に向けて、知っておくべき情報を詳しく解説します。
韓国旅行を避けた方が良い時期とその理由について、さまざまな角度からご紹介します。
夏の韓国旅行を避けるべき2つの理由について解説します。
韓国の夏(7~8月)は、極端な暑さと湿度の高さが特徴です。
気温が35度を超えることも珍しくなく、日本以上に湿度が高い日もあるため、屋外の観光は快適とはいえません。
また、7月はまだ梅雨の時期で雨が振りやすく、不安定な天候のため予定していた場所での観光ができない可能性があります。
気温や湿度が高いと体力を消耗するため、無理にスケジュールをこなそうとすると、熱中症など体調を崩す恐れもあるでしょう。
特に7月は梅雨の時期にあたるため、スコールのような急な豪雨に見舞われることがあります。
近年の韓国は深刻な集中豪雨に悩まされており、都市部でも冠水被害が発生するなど大きな社会問題になっています。
ここ数日の韓国の集中豪雨を気にしていたんだけど、被害が酷くなるばかりですね。都市化が進み、もともと排水や下水整備がそれほどなされていなかったのもあって被害が深刻なのかも。引用:X |
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そして、8月は台風が発生しやすく、飛行機の遅延やキャンセルのリスクが高まる時期です。
飛行機のキャンセルで帰れなくなると、宿泊先や新たな飛行機の手配なども自分でおこなわなければならなくなります。
夏の韓国旅行を避けるべき理由を3つ解説します。
韓国の冬(12~2月)は非常に寒く、2月のソウルや北部の地域は氷点下の気温が続きます。
気象庁のデータによると、ソウルの1月の平均気温が-1.9℃、2月が0.7℃ですが、冷たい強風のせいで実際の気温よりも体感温度はさらに低く感じます。
「初めての韓国旅行は2月。北海道よりは暖かいだろうとなめてました。しかし外を歩くこと数分。寒い。気温は北海道より高いのに寒い。函館の冬の海風と似ていて刺すような寒さ。ダウンなどでしっかり防寒しないとダメだと反省したのでした。」引用:X |
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ダウンやマフラー、手袋などで防寒していても、思わず「寒い!」と声が出るほどです。
冬の韓国を旅行するなら、厚手のタイツやレギンス、カイロは必ず準備していきましょう。
ソウルを始めとした多くの都市部でも雪が降ることが多く、道路が凍結しやすくなります。
雪道に慣れていない人や、スノーシューズの準備をしてこなかった場合、転倒してケガをするリスクもあるでしょう。
また、歩きにくくなるだけでなく、公共交通の遅延や渋滞も発生しやすいため、スケジュール通りに観光できない場合があります。
景福宮(キョンボックン)や昌徳宮(チャンドックン)などの人気観光地の多くは屋外にあります。
厳しい寒さや悪天候の中での屋外の観光は想像以上に疲れるため、楽しみが半減してしまう可能性があります。
韓国の大型連休が重なる時期はどこも混雑するため、このタイミングを避けて旅行計画を立てましょう。
韓国の旧正月は家族が集まる大切な祝日のため、多くの韓国人が実家などに帰省します。
交通機関が大混雑するのに加えて、観光スポットの多くが休業するため、立ち寄れる場所が限られる可能性が高い時期です。
2025年の旧正月は1月29日なので、前後の27日・28日・29日・30日が連休となります。
有休を繋げて1月25日~2月2日まで連休にする人も多いため、できればその時期を外すのが賢明です。
また、旧正月は旧暦の1月1日を指すため、実際には1月1日ではなく1月か2月にあたることが多いです。
冬の韓国旅行を計画する際は、その年の旧正月の時期をよく確認するようにしましょう。
秋夕は旧暦の8月15日にあたる日で、韓国の伝統的な収穫祭の祝日です。
韓国版のお盆時期のため、旧正月同様に店舗の休業が多く観光がしにくくなります。
また、地方に向かう交通機関が混雑するため、ソウルから別の街へ移動する際にスケジュール通りに進まない可能性があります。
2025年の秋夕は10月6日なので通常は前後あわせて3連休になりますが、土日や振替休日をあわせると最大7連休になる方が多いです。
秋夕も旧正月と同様に旧暦を使用しているため、毎年祝日となる時期が異なる点に注意しましょう。
夏休みシーズンは国内外からの観光客が増えるため、オフシーズンに比べてホテルの価格が跳ね上がり、人気の観光地は大混雑します。
どこへ行っても人混みができているため、ゆっくり観光するのは難しいと考えておいたほうが良いでしょう。
「夏休み時期しか旅行に行けない・・・」という方以外は、夏場の韓国旅行は避けるのが無難です。
歴史的な問題に関連した出来事があると、韓国内で反日感情が高まることがあります。
渡航前は最新ニュースをチェックし、安全かどうか慎重に判断することが重要です。
「日本の終戦記念日=日本の植民地支配からの解放」を記念した「解放の日」として祝われます。
この時期は特に反日感情が高まりやすく、政治的なデモなどが行われることがあります。
日本人観光客はトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、初めての訪韓する方は避けたほうがよい時期です。
1919年の独立運動を記念する日で、この日の前後も反日的なデモが行われることが多いです。
国家的な祝日のため、公共機関や一部の商業施設が休業することがあります。
また、記念行事に参加する人々で交通機関が混雑する場合があり、特にソウル市内の西大門独立公園周辺や、独立運動に関わる史跡の周辺では注意が必要です。
韓国側から見た、竹島(独島)の領有権を主張・記念するための日です。
この時期は韓国内のメディアで竹島(独島)関連のニュースが増加し、日韓の領土問題が強調される傾向があります。
主に慶尚北道を中心にさまざまな集会やイベントが行われ、一部では反日的な内容が含まれることもあります。
ただ、ソウルや釜山などの主要観光地では、通常通り観光を楽しむことができることがほとんどです。
韓国旅行ではずせないソウル観光で気を付けるべき時期を解説します。
3~4月は中国から来る黄砂やミセモンジ(PM2.5)の影響が大きく、呼吸器系の疾患がある方は特に注意が必要な時期です。
目のかゆみやのどの痛み、肌荒れなどが主な症状として現れます。
日本で感じるよりももっと強烈な刺激があるため、屋外を観光する場合はマスクを着用するようにしましょう。
韓国の夏季は集中豪雨により洪水が発生し、各地に甚大な被害を及ぼしています。
都市部でもあちこちで冠水が起こり、交通機関がマヒすることもあります。
ソウルは都市型洪水と呼ばれ、地下街や地下鉄構内まで浸水するような集中豪雨が発生する確率が高いです。
特に、江南区や麻浦区など漢江周辺は冠水するリスクが高いため、観光の際は注意が必要です。
また、海が近い南部や済州島は台風の被害を受けやすいため、台風が直撃すると身動きが取れなくなる恐れがあります。
ソウルは寒波の影響を一番受けやすい地域のため、氷点下10度を下回ることも珍しくなく、厳しい寒さが続きます。
乾燥した強風(カラカゼ)は、指すような痛みを感じるほどのため、屋外を歩くのが厳しい日もあります。
屋外観光をする際は、厚手のコートや帽子、手袋などでしっかりと防寒対策をするように心掛けてください。
週末の午後2~夜9時は観光客で混みあう時間帯のため、この時間帯を避けて楽しむのがおすすめです。
特に、旧正月と秋夕の前後1週間は大変混雑するため、食事やショッピングの待ち時間が長くなります。
また、7~8月の夏季バーゲン期間は中国からの団体観光客が増えるため、化粧品や服などのショップのほか屋台なども大行列となります。
桜が満開となる時期や、夏休み期間(7月下旬~8月)の週末は海外からの観光客で混雑します。
特に、王宮守門将交代式の時間帯(10時・14時)は大勢の人が訪れるため、入場までに1時間以上かかることも。
景福宮は韓服を着用していると入場料が無料になるため、韓服レンタルの店も待ち時間が発生します。
撮影スポットや周辺のカフェなども行列ができるため、満足に観光できない可能性があります。
紅葉の時期(10月下旬)、クリスマス期間、バレンタインデーは地元民や観光客で混みあいます。
頂上へ向かうケーブルカーの待ち時間が2時間を超えることもあります。
そのあとの予定に影響しないよう、ゆとりを持ったスケジュールを組んでください。
梅雨の時期は雨や雲で視界が悪くなるため、タワーからの景色を十分に楽しめない可能性があります。
また、タワーは山の上に位置するため風が強く非常に寒いので、寒さが苦手な方は冬場の観光を避けましょう。
仁寺洞通りでは、伝統工芸やアートのフェスティバル(例年4~5月、9月頃開催)が行われ、韓国の伝統的な工芸品や職人技、アート作品などが見られます。
伝統文化を体験する良い機会ではありますが、人混みを避けたい場合は日程をずらして訪れるのがおすすめです。
韓国旅行がより楽しめる穴場の時期ベスト3をご紹介します。
韓国を存分に楽しむためには、気候が穏やかで観光しやすい時期を選ぶのがポイントです。
韓国の春は平均気温が15~20度程度で過ごしやすく、観光に適した日が多い季節です。
気象庁のデータによると、ソウルの4月の平均降水量は71.7mmで、年間でも比較的少ない時期にあたります。
ソウルや釜山では桜開花時期と重なるため、桜が見られる観光スポットにもぜひ立ち寄ってみましょう。
秋の韓国は9月下旬から11月にかけて気候が安定し、紅葉が美しい季節です。
10月のソウルの平均気温は20度前後で、韓国旅行には最もおすすめの季節といえます。
特に10月は晴天の日が多く、屋外の景色や紅葉を楽しむのに最適な時期です。
韓国国内の紅葉の名所としては、景福宮(キョンボックン)、昌徳宮(チャンドックン)、南怡島(ナミソム)などが人気です。
南怡島(ナミソム)は韓国ドラマ・冬のソナタのロケ地として有名な島で、メタセコイアの並木道が紅葉スポットとして人気です。
梅雨が本格化する前の6月上旬〜中旬は、比較的晴れの日が多く気温もそれほど高くありません。
また、海外からの観光客が少ないため、旅費も安く済む穴場の時期です。
梅雨入りが早まると厄介ですが、うまくタイミングが合えば安く快適に観光できます。
各季節におすすめの観光スポットをご紹介します。
汝矣島(ヨイド)は漢江沿いの桜並木が美しく、春の花見時期には汝矣島桜祭りが開催されます。
また、石村湖(ソッチョンホス)の湖から見る桜や、景福宮(キョンボックン)のしだれ桜も映えスポットとして人気です。
慶州(キョンジュ)の仏国寺は韓国の歴史的な場所で、春は花々に彩られた古都の風情を楽しめるのが魅力の観光スポットです。
全州(チョンジュ)韓屋村は伝統家屋が立ち並ぶエリアで、韓服をレンタルして桜とともにフォトジェニックな写真を撮る人も多いです。
済州島(チェジュド)は日本人にも人気のビーチリゾートで、国内外から多くの観光客が訪れます。
夜の済州東門市場では「夜市場(ヤンシジャン)」と呼ばれるナイトマーケットが人気です。
また、釜山(プサン)にもマリンスポーツが楽しめる海雲台(ヘウンデ)ビーチがあり、釜山BIFF広場という釜山最大の繁華街では屋台グルメが楽しめます。
そしてソウルのナイトマーケットといえば、東大門や南大門での韓国グルメ食べ歩きやショッピングがはずせません。
雲峴宮(ウニョングン)は朝鮮王朝時代末期の歴史的建築物で、第26代王・高宗(コジョン)が即位するまでの少年時代を過ごした場所として有名です。
昌慶宮(チャンギョングン)は朝鮮王朝時代の王宮で東にある昌徳宮(チャンドックン)とともに、紅葉の名所として知られています。
また、仏国寺(ブッコクジ)はユネスコ世界遺産に認定されているお寺で、紅葉のほかに6つの国宝も見どころです。
韓国でもスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが人気です。
中でも、ソウルから約1時間の距離にある「ヴィヴァルディパークスキー場」は、日帰りスキーや夜間スキーのほか、サウナやプールも楽しめます。
また、ソウルから日帰りできる温泉施設が複数あるため、外の観光で冷えた体を一日の終わりに温泉で温めるプランもおすすめです。
冬の韓国に旅行する際は、ホットクや韓国おでん、たい焼きなどの温かい屋台料理も忘れずに味わってみましょう。
韓国旅行の際には、訪れる季節によって物価や混雑状況が大きく異なります。
オンシーズンとオフシーズンの違いや楽しみ方について確認しておきましょう。
春(3~5月)と秋(9~11月)は韓国旅行のハイシーズンです。
この時期は気候が良く、桜や紅葉などの自然を楽しむことができますが、観光客が多くどこの観光スポットも非常に混雑します。
ハイシーズンに韓国を訪れる場合は、早めにホテルやチケットを予約し、早朝から観光を開始するのがおすすめです。
ホテルは2~3ヶ月前、航空券は3ヶ月前の予約が最安値になることが多いため、韓国旅行の予定がある方は3ヶ月前を目安にチェックしてみましょう。
夏(6~8月)と冬(12~2月)は観光客が比較的少なく、旅費を割安に抑えられる時期です。
夏は屋外の観光を控えめにして、ショッピングや夜市、ビーチリゾートを楽しむのがおすすめです。
また、韓国の冬は極寒のため、スキーリゾートや温泉地など、冬ならではの観光スポットで楽しみましょう。
韓国旅行を心から楽しむためのアドバイスをご紹介します。
食事は混雑時間を避けた11時前、14時以降が狙い目。
予約できる場合は事前に予約しておくことをおすすめします。
人気レストランは数ヶ月前から予約が埋まることもあるため、必ず事前に確認しましょう。
また、人気スポットや観光名所は早朝や開店直後を狙うと比較的人が少なめです。
有料施設の入場券や、展望台・ケーブルカーのチケットは、オンラインで購入できるところが多いため、事前に購入しておくとスムーズに入場できます。
観光地の韓服レンタルも予約ができる場合があるため、念のためホームページなどを確認しておいてください。
4月に入ると徐々に気温が上がり始めるため、トレンチコートや厚手のジャケットで対応できます。
5月・6月、9~11月は寒暖差が大きいため、カーディガンや薄手のコートなど、はおるものを持参しましょう。
7〜8月は、日傘や帽子、サングラス、ハンディ扇風機など暑さ対策グッズが必需品です。
しかし、夏場の屋内は冷房で肌寒いことも多いため、冷房の冷えに弱い方ははおりものを持つのがおすすめです。
12月以降、特に2月は冷え込む日が多いため、ダウンやタイツ、カイロなどの防寒対策を万全にしてください。
反対に屋内は暖房で暑すぎることもあるため、脱ぎきしやすい服装がおすすめです。
韓国旅行を全力で楽しむためには、極寒の冬や猛暑の夏、大型連休や反日感情が高まる時期を避けるのがポイントです。
おすすめの時期は、気候が穏やかで観光に適した春(3月下旬〜5月)と秋(9月下旬〜11月)で、快適な気候の中で観光を楽しめます。
気候や混雑状況、政治的な要因を考慮して日程を組み、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
特に春と秋のハイシーズンは、宿泊先や航空券を早めに予約して、素敵な旅行を満喫してください。