タイの古都チェンマイは、旅慣れた人ほど何度も訪れたくなる魅力を持つ“北の楽園”。
ランナー王朝の面影が残る旧市街には、美しい寺院や石畳の小道が広がり、少し足を延ばせば、山あいのカフェや象とふれあえる自然を体験することができます。
観光スポット中心なら3日でも満喫できますが、自然やローカルマーケットも満喫するなら4〜5日が理想です。
訪れるのに最適な時期は11〜2月で、特に2月の花まつりシーズンは街全体が花と笑顔に包まれ、まさにベストタイミングです。
定番の観光スポットだけでは物足りない、タイならではのローカル体験を楽しんでみたくはありませんか?
この記事では、チェンマイを120%楽しむための定番スポットから穴場カフェ、旅のスタイル別モデルコースまでご紹介します。
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チュンマイには、古都ならではの歴史を感じられる寺院から、賑やかなマーケット、自然と調和したスポットまで、訪れる人を魅了する定番観光地が数多くあります。
ここからは、チェンマイの観光で外せない人気スポットを厳選して10か所ご紹介します。
初めての方もリピーターの方も、まずはこの場所から巡ってみてください。
チェンマイ観光でまず訪れておきたい定番スポットは、金色の仏塔とチェンマイ市街を一望できるワット・プラタート・ドイステープです。
標高約1,000mのドイステープ山の頂に位置し、今から約650年ほど前にタイ北部を統治していたクーナ王によって建立されたと言われています。
高さ約22mの仏塔が、晴れた日に太陽の光を受けて神々しく輝く美しさは、多くの観光客を魅了しています。
また、開運や心身の浄化にもご利益があるとされ、現地の人々からも厚く信仰されています。
境内にある参拝用の鐘やナーガ(蛇の神様)の階段などは装飾も美しく、写真映えするポイントも満載です。
観光の所要時間は1〜1.5時間ほどで、旧市街からはGrabを利用して約30分、料金の目安は150〜200バーツ程度です。
チェンマイ動物園前から出ているソンテウ(乗り合いバス)を利用すると、片道40〜60バーツほどで行くことができます。
肩や膝が隠れる服装がマナーです。
入口ではスカーフの貸し出しもありますが、露出の多い服装は避け、長ズボンや羽織ものを用意しておくと安心です。
訪れるのに最適なのは早朝〜午前中で、特に日の出の時間帯には、山頂から昇る朝日とともに寺院全体が幻想的な雰囲気に包まれ、静かな空気の中で参拝できます。
時間に余裕がある方は、モンクス・トレイル(Monk’s Trail)と呼ばれる登山道を通って参拝するのもおすすめです。
修行僧が歩いた森の中を静かに進む山道ルートで、登りきった先で見るご来光は特別なご褒美になるはずです。
なお、午後は観光客が増えるほか、山道で渋滞が起きやすくなるため注意してください。
チェンマイ旧市街は、城壁とお堀に囲まれたエリアに歴史ある寺院が点在しており、徒歩で気軽に巡れるのが魅力です。
なかでも、旧市街の中心に堂々とたたずむ「ワット・チェディルアン」は、チェンマイを代表する歴史的な寺院のひとつ。
名前の「チェディルアン」は「大きな仏塔」を意味し、高さ約80m(※修復前は約90m)にもなるレンガ造りの仏塔は訪れる人々を圧倒します。
かつては、タイで最も神聖とされる「エメラルド仏」がこの仏塔内に安置されていたことでも有名で、今もなお特別なパワースポットとして親しまれています。
観光客が比較的少ない午前中に訪れるのがおすすめで、所要時間は30分〜1時間ほど、入場料は大人40バーツ、子どもは20バーツです。
露出の多い服は避けて訪問すべきですが、万一の際は数十バーツのデポジット(預かり金)を支払い羽織り物を借りることもできます。
旧市街の中心部にあるためアクセスも良好で、ターペー門から徒歩約10分で訪れることができ、Grabを使う場合は市内中心から30〜50バーツほどです。
公共バス(RTCバス)のルートからも近く、最寄りのバス停からは徒歩でアクセスできます。
周辺には「ワット・パンタオ」や「ワット・プラシン」など格式ある寺院も点在しており、まとめて巡る“寺院さんぽ”もおすすめです。
チェンマイ旧市街の目抜き通り「ラチャダムヌン通り」は、毎週日曜の夕方になると歩行者天国に変わります。
そこで日曜17〜22時頃まで開かれるのが、チェンマイ最大級のナイトマーケット「サンデー・ウォーキング・ストリート」です。
通りにはハンドメイド雑貨やアクセサリー、タイ北部の伝統工芸品からストリートフードまで、見て歩くだけでも楽しめる屋台がずらりと並び、お土産探しにもぴったりです。
屋台グルメも充実しており、カオソーイや焼き鳥、フルーツスムージーなど、ローカルな味を食べ歩きで満喫できます。
寺院の境内を活かしたフードコートエリアは地元の人たちの憩いの場で、旅の合間にゆっくりと食事ができる穴場スポットにもなっています。
ゆっくり楽しみたい方は最も混雑する19〜20時を避け、日没前の17時台に訪れるのがおすすめです。
歩行者天国は、旧市街中心の「ターペー門」からスタートするため、市内中心部からは徒歩でのアクセスも可能です。
Grabを利用する場合は、混雑による交通規制や乗降場所に注意しましょう。
周辺には「ワット・プラシン」や「チェンマイ市立文化センター」など観光スポットも多いため、日中に周辺観光を済ませてから訪れると効率良く巡ることができます。
北タイで最も格式の高い寺院とされているのが「ワット・プラシン」。
広々とした境内と美しいランナー建築、ご本尊「プラシン仏(シン仏)」が安置されていることから、多くの参拝客や観光客が訪れる人気スポットです。
黄金に輝く本堂と、緻密な壁画で知られる「ウィハーン・ライカム(小礼拝堂)」は特に注目したいポイントです。
小礼拝堂の内部には、タイ北部の伝統的な生活風景を描いたラナースタイルの壁画が残されており、当時の文化を垣間見ることができます。
観光のベストタイミングは午前中または夕方で、所要時間は40分〜1時間程度を見込んでおくと、参拝や撮影がゆったり楽しめます。
特に夕暮れ時は、光に照らされた金色の本堂で幻想的な一枚が撮れるでしょう。
服装規定は他の寺院と同様、露出を避ける必要があるものの、肌の見える服を着ている場合は入口で羽織物の貸し出しもあるのでご安心ください。
アクセスは、ターペー門から徒歩約15分ほどで、Grabを使えば市内中心部から40〜60バーツ程度、RTCバスも利用可能です。
近隣の「ワット・チェディルアン」や「チェンマイ市立美術館」などと組み合わせて、歴史散策や文化体験を楽しむのにぴったりの立地です。
チェンマイから南西へ車で約1時間半の場所にある「ドイ・インタノン国立公園」は、タイで最も標高の高い山岳地帯に広がる人気観光スポットです。
標高2,565mのドイ・インタノン山の山頂からは、雲海やご来光を望める絶景が広がり、神秘的な時間を過ごせます。
園内には、ラマ9世と王妃の生誕60年を記念して建てられた「双子の仏塔(ナパメートニドン・ナパポンスリ)」、霧に包まれる原生林の遊歩道、ダイナミックな滝など見どころが点在しています。
王室ゆかりの双子の仏塔が山の斜面に建つ美しい姿は、フォトスポットとしても人気です。
入場料は外国人の場合1人あたり大人300バーツ、子ども150バーツで、仏塔エリアは別途60バーツ必要です。
タイ人料金とは異なるため、チケットを購入する際はご注意ください。
訪問のベストタイミングは早朝です。
11〜2月の乾季は特に、澄んだ空気とともにご来光や霧に包まれた幻想的な風景が楽しめます。
標高が高く朝晩は10℃以下に冷え込むこともあるので、長袖の上着などでしっかり防寒対策を行いましょう。
アクセスは、チェンマイ市内から車やGrabを利用して約1時間半、料金目安は約1,000〜1,500バーツです。
ワローロット市場から発着するソンテウもありますが、本数が少ないため、ツアーやチャーターを検討するのが無難です。
登山好きの方には、麓から山頂を目指す「モンクストレイル」もおすすめで、修行僧が通った自然道の静けさから、舗装道とは違うチェンマイならではの魅力を感じられます。
チェンマイ郊外に位置する「エレファント・ネイチャー・パーク」は、象の保護とリハビリテーションを目的とした自然体験型施設です。
訪問者は象への給餌体験をしたり、のんびりした時間を共有したりしながら、保護活動の重要性を学べます。
なお、この施設は動物たちのストレスを最小限に抑える運営が徹底されており、象乗りは禁止されています。
予約は公式ウェブサイトまたは現地ツアー会社を通じて事前に行う必要があり、半日コースから一日コースまであるツアーに参加する場合は、早めの予約がおすすめです。
所要時間は約4〜7時間で、料金はツアー内容によって異なりますが、2,500〜3,000バーツ程度が目安です。
アクセスは、チェンマイ市内から車で約1時間。
Grabも利用できますが、送迎付きツアーが便利です。
動きやすく汚れてもよい服装を選び、日焼け対策や虫よけ対策も忘れずに準備しましょう。
周辺には伝統文化体験やナイトサファリなど、自然と動物をテーマにした観光地も豊富で、象好きな方やエコツーリズムを楽しみたい方に特におすすめのスポットです。
チェンマイ市街の北西、ドイステープ山の中腹に位置する「チェンマイ動物園」は、約400種の動物が飼育されている広大な施設です。
なかでも人気な「ジャイアントパンダ館」では、中国からやってきた愛らしいパンダたちが、のんびりと竹をかじる姿を間近で見ることができます。
園内は傾斜が多く徒歩で回るのはやや大変ですが、モノレールやケーブルカーを活用すれば効率的に各エリアを巡れます。
ケーブルカーは動物園全体を見下ろしながら移動できるため、移動そのものをアトラクションのように楽しめます。
また、水族館や子ども向けのふれあいコーナーなども充実しており、ファミリー層にもおすすめです。
入場料は大人100バーツ、子ども50バーツ、所要時間は2〜3時間ほどが目安で、動きやすい服装と歩きやすい靴で訪れると安心です。
なお、アクセスは市内中心部からGrabで約15〜20分、料金は100〜150バーツ程度です。
公共バス(RTC)を利用する場合は、「チェンマイ大学」周辺を経由する路線が便利です。
動物園を満喫したら、ドイステープ山を登り「ドイステープ夜景スポット」へ足を延ばすと、標高約1,000mの展望台から、夕暮れとともに広がる灯りがロマンチックなチェンマイ市街の雰囲気を堪能できます。
混雑を避けたい方は、19時〜20時台を狙うとよいでしょう。
昼はパンダに癒やされ、夜は丘の上からきらめく夜景を眺める。
チェンマイらしい自然と街の魅力を1日で体感できる、満足度の高いコースです。
おしゃれエリア・ニマンヘミンの中心にある「ワン・ニマン(One Nimman)」は、アート、ショッピング、カフェが一体となった入場無料の複合施設で、ヨーロッパの街並みを思わせる建築が特徴です。
施設の中央にある欧風回廊はアーチ型の天井と整然と並ぶ柱のバランスが美しく、SNS映えする写真が撮れると人気のスポットです。
特に午前中〜昼過ぎは柔らかい自然光が差し込み、より幻想的な雰囲気を楽しめます。
ショッピングや休憩を挟みながら、のんびり1〜2時間程度を目安に散策するのがおすすめです。
アクセスは市内中心部からGrabで約10分、目安料金は80〜100バーツで、公共バス(RTC)の「グリーンライン」も利用できます。
周辺には「Think Park」や「MAYAショッピングセンター」などのモダンスポットも点在しており、芸術・グルメ・ファッションを同時に楽しみたい方にはぴったりのエリアです。
チェンマイ中心部から車で約1時間半、山間の静かな集落「メーカンポン村」は、自然と共生するローカルな暮らしと、感性をくすぐるカフェやアートに出会える人気の観光スポットです。
村には700年以上の歴史をもつ「ワット・カンポン」や手工芸体験ができる施設もあり、自然だけでなく文化的な魅力にも触れることができます。
自然の地形に沿って造られた「カフェ街道」もこの村の魅力で、山の傾斜に沿って並ぶ店舗では、美しい渓流を見下ろしながらローカルコーヒーやタイスイーツを楽しめます。
木の上にテラス席を備えたカフェ「The Giant Chiang Mai」(ザ・ジャイアント・チェンマイ)や「Teddu Coffee」(テッドゥ・コーヒー)などは、鳥のさえずりや風の音に包まれながら、非日常のひとときを過ごせると評判です。
また、標高約1,300mに位置するため年間を通じて涼しく、避暑地としても人気のエリアなので、肌寒い時間帯には羽織ものを1枚用意しておくと安心です。
所要時間は、移動を含めて半日〜1日程度を見込んでください。
Grabでのアクセスは難しいため、チャーター車(1日1,500〜2,500バーツ)や現地発着のツアーの利用がおすすめです。
メーカンポン村は、チェンマイ旅行中に「自然の中でゆっくりしたい」と思ったときにこそ訪れたい、心も体もリセットできる、静けさと美しさに包まれたとっておきの隠れ里です。
チェンマイの夜を彩る「ナイトバザール」と「アヌサーンマーケット」は、外せない人気スポットです。
出店状況により多少前後しますが、両マーケットとも毎日17:00〜23:00頃まで営業しており、買い物や食べ歩きを楽しむ人々で賑わいます。
ナイトバザールは、土産物やファッションアイテム、雑貨、アート作品などが軒を連ねる巨大な露店街で、ローカルブランドや手作りの工芸品も豊富な、歩くだけでも楽しいエリアです。
すぐ近くにあるアヌサーンマーケットは屋台グルメが充実しており、パッタイ、カオソーイ、マンゴースティッキーライスなど、タイ北部ならではの料理をリーズナブルに味わうことができます。
値札がない場合は、値段交渉するのが基本です。
やや高めに提示されることも多いため、笑顔で「ちょっと高いかな〜」という雰囲気を出しながら、20〜30%引きを目安に交渉してみましょう。
複数買いすれば、さらに値下げしてくれることもあります。
ナイトバザールとアヌサーンマーケットは、買って、食べて、歩いて、旅の思い出をより濃くしてくれる、夜のチェンマイをローカル気分で楽しむためには欠かせない魅力あふれる場所です。
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チェンマイ旅行をより安心して楽しむために、日本からのアクセス方法や旅行時期の選び方、治安や物価の目安などの基本情報をまとめました。
初めての方でもイメージしやすいよう、ポイントを絞ってわかりやすく解説します。
日本からチェンマイへのアクセスは、2つの方法があります。
まずは、成田空港もしくは羽田空港からバンコク経由でアクセスする方法です。
タイ国際航空(TG)、ルフトハンザ(LX)、日本航空(JL)などの航空会社が運航しています。
また、関西国際空港から直行便で向かう方法もあり、こちらはタイ・ベトジェットエア(VZ)が運航しています。
乗り継ぎが不要なため、移動時間をできるだけ短くしたい方は直行便の利用がおすすめです。
以下にまとめた日本からチェンマイまでのアクセス方法を、ぜひ参考にしてください。
区間 | 移動範囲 | 所要時間 | 備考 |
日本→バンコク | 国際線(TG/LX/JL) | 約7~9時間 | 発着空港:成田、羽田 |
バンコク→チェンマイ | 国内線 | 約1時間 | タイベトジェットなど格安航空も多く運航 |
日本→チェンマイ | 国際線(VZ)※直行便 | 約5~6時間半 | 週4便運航:月・水・金・日曜 |
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直行便もしくは経由便でチェンマイ国際空港へ到着した場合、市内中心部への移動は、定額のタクシーで約150バーツ、ソンテウは約40バーツで利用できます。
経由便の場合、バンコクからチェンマイまでは空路ではなく陸路で向かう方法もあります。
移動方法は夜行寝台列車もしくは夜行バスです。
夜行寝台列車はバンコク新中央駅(クルンタブリー駅)から乗車します。
バンコク、チェンマイの風景を楽しみながら、所要時間は12~13時間ほどと、ゆっくり移動したい方におすすめです。
一方、VIP仕様の夜行バス(24席)は所要時間10〜11時間程度で、運行便数が多く比較的予約も取りやすいため、手軽に利用できます。
無事チェンマイへ到着後、市内を効率的に回りたい場合はソンテウを使った一周ルート(料金約30バーツ)をおすすめします。
チェンマイ市内や郊外を自由に移動したい場合は、1日約200バーツ程度のレンタルバイクが便利ですが、国際免許証の携帯が必須でヘルメット着用が義務となります。
違反すると罰金となるため注意してください。
熱帯モンスーン気候に属しているチェンマイは1年を通して温暖ですが、気温や降雨量は季節によって違います。
旅行のタイミングによって必要な持ち物も変わるため、出発前にチェックしておきましょう。
11〜2月の乾季は、晴天が続き湿度も低く、最も過ごしやすい季節です。
平均気温は15〜28℃程度で昼間は半袖で快適に過ごせる一方、山間部は10℃台になることもあるため、軽めのダウンや羽織れる上着を用意しておくと安心です。
5〜10月の雨季は、日中は晴れていても午後には激しいスコールに襲われることが少なくないため、撥水性のあるポンチョや折りたたみ傘を携帯しておきましょう。
平均気温は25〜33℃で湿度も高いため、蒸し暑さを感じることがあります。
雨によって靴も濡れやすいため、サンダルや速乾性のある靴下を選ぶことをおすすめします。
なお、山間部の観光地では季節を問わず朝晩の冷え込みが厳しい傾向があるので、標高の高い場所へ訪れる予定がある場合は、必ず防寒対策をしてください。
雨が少なく晴天が続き、気温も比較的穏やかで過ごしやすい、乾季にあたる11〜2月はチェンマイ観光のベストシーズンで、ホテル料金が高騰しやすいため予約は早めがおすすめです。
毎年2月の第1週末に開催される「チェンマイ花まつり(Chiang Mai Flower Festival)」も見逃せないイベントのひとつです。
市内のスアンドーク門やブアック・ハート公園周辺は色とりどりの花で彩られ、パレードやミスコンテストなども行われます(2026年は2月7〜9日に開催予定)。
ハイシーズンを避けつつイベントを楽しみたい場合は、4月13〜15日に行われる「ソンクラン(水かけ祭り)」にあわせて訪れるのも一手です。
タイの旧正月を祝う伝統行事で、街中が水かけ合戦の会場と化し、歩いているだけでずぶ濡れになることもあります。
観光よりも、地元の祭りや文化を楽しみたい人にはぴったりの時期です。
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チェンマイは、タイ北部の料理や個性豊かなカフェが集まる“食と癒しの街”。
地元の屋台で本場の味を堪能したり、古民家を改装したおしゃれなカフェでのんびり過ごしたりと、楽しみ方はさまざまです。
ここでは、初めての旅行者にもおすすめの定番ローカルフードや注目カフェエリア、チェンマイならではの楽しみ方をご紹介します。
「カオソーイ」は、ココナッツミルクのまろやかなカレースープに、やわらかい卵麺とカリカリに揚げた麺がのった一品で、チェンマイに来たら必ず味わいたい料理です。
旅行者にも地元の人にも人気なのは、旧市街の北側にあるローカル食堂「Khao Soi Khun Yai(カオソーイ・クンヤーイ)」です。
素朴な佇まいながら、ランチタイムには満席になることも少なくない人気店で、まろやかさとスパイスのバランスが絶妙なチキン入りカオソーイは辛すぎないため、初めての人にもおすすめできます。
カオソーイは、ナイトマーケットやローカル屋台でも手軽に楽しめるので、食べ比べをしてお気に入りの一杯を見つけてみてください。
チェンマイで本格的なタイ料理をリーズナブルに楽しむなら、ローカル食堂一択です。
屋台や食堂は旧市街を中心に点在しており、旅行者でも気軽に立ち寄ることができます。
ローカル料理はチェンマイ独自の味付けが楽しめるのも魅力です。
メニューに写真がないことも多いですが、「ラープ」「カオマンガイ」「パッタイ」など定番メニューを覚えておくとスムーズに注文できます。
「ラープ・ヌアヤーン」はスパイシーなミント風味が特徴のイサーン料理で、炙り焼いた牛肉を、ライム、唐辛子、ハーブで和えた、ごはんとの相性も抜群な一皿です。
「ラープ・ムートート」は、豚ひき肉をスパイスと一緒にカリカリに揚げたタイ北部ならではのアレンジ料理で、辛味と香ばしさがクセになる味わいです。
これらは一般的に、1品40〜70バーツ程度(約170〜300円)で提供されています。
「英語メニューなし」「店主が無言で調理」なんてこともありますが、それもローカル食堂ならではの体験です。
気になるお店があれば、思い切って飛び込んでみるのも旅の楽しさのひとつです。
コーヒー豆は、標高の高い地域で栽培されるほど酸味や香りが際立ちやすく、高品質に育つと言われており、タイ北部の高地に位置し、昼夜の寒暖差が大きいチェンマイもまた、良質な生産地として注目されています。
チェンマイ市内には豆の選定から焙煎、抽出にまでこだわったカフェが数多く点在し、スペシャルティコーヒー文化が発展しています。
なかでもニマンヘミンにある「Ristr8to(リストレット)」が人気で、エスプレッソベースのドリンクの評価が高いです。
ラテアートの世界大会で受賞経験のあるバリスタが在籍しており、フラットホワイトやアートカプチーノが特に有名です。
おおよそ80〜120バーツ程度の価格で楽しめます。
もう一軒、旧市街にある「Graph Café(グラフ カフェ)」も見逃せません。
タイ産のシングルオリジン豆を使用したハンドドリップや、窒素ガスを使ったナイトロコールドブリューなど、こだわりのメニューが揃うスタイリッシュで静かな店内での休憩は、観光の合間にもぴったりです。
価格は90〜150バーツ程度です。
いずれの店も、ゆったり過ごせる雰囲気が魅力なので、カフェ巡りもぜひ旅の計画に加えてみてください。
チェンマイの夜といえば、ナイトマーケットにずらりと並ぶ屋台グルメ巡りが醍醐味のひとつで、地元の人も観光客もリーズナブルに本場のタイ料理を楽しんでいます。
代表的な名物屋台のひとつがワロロット市場近くの「Cowboy Hat Lady(カウボーイハットレディ)」です。
カウボーイハットをかぶったおばあちゃんが、甘辛いタレでやわらかく煮込んだ豚足ごはん(カオカームー)が看板メニューで、地元メディアにもたびたび取り上げられています。
もうひとつのおすすめはチャンプアック門近くにある人気の屋台「Suki Koka(スキー・コカ)」です。
春雨と野菜、シーフードや豚肉を煮込んだタイ風すき焼き「スキーナーム」は、あっさりしつつもコクのあるスープが絶品で、ひと皿50〜70バーツ程度と価格もお手頃です。
現地の人で賑わう店は、回転が早く、衛生面も比較的安心と言われています。
屋台グルメを楽しむためにも、調理の様子がなるべく見える店を選び、食材が常温で放置されていないかをチェックしましょう。
気軽に食べ歩きができるナイトマーケットで、お気に入りのローカル料理を見つけてみてください。
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チェンマイは、歴史ある寺院や自然、美食、カルチャー体験など、旅のスタイルに応じた楽しみ方ができる街です。
ここからは「女子旅」「アクティブ派」「カフェ好き」など、旅行タイプごとにおすすめのモデルコースを紹介します。
チェンマイ初心者でも無理なく回れるスケジュールを想定しているので、滞在計画の参考にしてください。
最初は、チェンマイの人気観光地を効率よく巡りたい人向けのモデルコースをご紹介します。
タクシーやソンテウで移動すれば、限られた時間でも満喫できます。
午前中は旧市街にあるワット・チェディルアンやワット・プラシンなどの歴史ある寺院を訪れましょう。
朝は空気が澄んでおり、タイ北部独特の仏教建築や静かな空気を感じることができます。
午後は、市内中心部からソンテウやタクシーで約30〜40分の場所にある山の上の寺院「ワット・ドイステープ」へ。
チェンマイ市街を一望できる展望スポットとしても人気で、特に夕暮れ時の景色は息をのむ美しさです。
夜はナイトバザールエリアへ向かい、屋台グルメやショッピングを楽しみながら、チェンマイならではの賑わいを体感しましょう。
移動距離はありますが、1日で文化・自然・食をバランスよく体験できるコースです。
チェンマイをじっくり楽しみたい旅行者におすすめなのが、旧市街で寺院とカフェを巡り、翌日にタイ最高峰ドイ・インタノン国立公園を日帰りで訪れるプランです。
1日目は、歴史ある寺院をゆっくり満喫したあと、ニマンヘミン通り周辺の個性豊かなカフェでリラックスタイムを過ごしましょう。
カフェの街ならではの洗練された雰囲気と美味しいコーヒーが旅の疲れを癒やしてくれます。
2日目は、早朝からドイ・インタノン国立公園へ向かい、自然豊かな山岳風景や双子の仏塔など見どころをしっかり堪能してください。
市内とは違う涼しい高地での散策は、心身ともにリフレッシュできます。
短い時間でもチェンマイの文化と自然をバランスよく体験できるため、滞在期間が短めな方におすすめのコースです。
3泊4日の滞在なら、チェンマイの定番観光スポットをじっくり楽しみつつ、自然豊かなメーカンポン村での山カフェ巡りも満喫しましょう。
初日は旧市街の寺院やマーケットで文化を味わい、2日目はワット・ドイステープやナイトマーケットを楽しみます。
3日目は郊外のメーカンポン村へ足を伸ばし、カフェ街道を散策し、鳥のさえずりや渓流の音を感じながらゆったりした時間を過ごしましょう。
最終日は、チェンマイ市内でショッピングや街歩きを気ままに楽しんで過ごすのがおすすめです。
自然と文化、どちらも満喫できる贅沢なプランです。
リモートワークをしながら旅を楽しみたい人におすすめなのは、チェンマイで1週間のノマド滞在です。
午前中は落ち着いた雰囲気のコワーキングスペースで集中して作業し、午後は市内観光や自然スポットで気分転換するスタイルが定番です。
チェンマイには「Yellow Co-working Space」(イエロー・コワーキング)や「Punspace」(パンスペース)など、設備が整ったコワーキング施設が充実しています。
カフェ感覚で使える場所も多く、長時間の作業も快適です。
曜日ごとにテーマを決めて、午後は、寺院散策や郊外の滝、カフェ巡りなどを楽しみましょう。
月・水・金には現地のノマドや留学生と交流できる「Meetup(ミートアップ)」の語学交流イベントに参加するのもおすすめです。
英語やタイ語を使って実践的な会話ができ、旅の思い出がより濃くなるでしょう。
ノマド初心者にもぴったりな、ほどよいペースでチェンマイを味わえる滞在スタイルです。
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チェンマイ旅行を安心して楽しむためには、安全対策と健康管理が欠かせません。
2025年3月28日にミャンマーで発生したM7.7の地震の影響で、周辺地域には余震の可能性があります。
万一に備えて、現地の最新情報をこまめにチェックし、避難場所や連絡手段を事前に確認しておきましょう。
また観光地では、詐欺やタクシーのぼったくりにも注意が必要です。
「ノーサンキュー」や「メーアオ・カップ(要りません)」など、簡単な英語やタイ語の回避フレーズを覚えておくと安心です。
それでも困ったときや緊急時は、タイの警察緊急番号「191」に連絡してください。
チェンマイは、乾季に入るとPM2.5(微小粒子状物質)の影響で空気が悪化することもあるため、外出時はN95マスクを着けるのがおすすめです。
市内の薬局やショッピングモールでも購入できるため、急激な空気の変化に備えて携帯してください。
スマートフォンで使えるPM2.5速報アプリ「AirVisual」(エアビジュアル)も活用し、空気の状態はこまめにチェックしましょう。
ローカルフードを満喫するのも旅の楽しみですが、食あたりには注意が必要です。
生水は避け、衛生的な店を選ぶことが重要です。
病気やけがの際、金銭的にも精神的にも心強い味方になってくれる海外旅行保険には必ず加入しましょう。
ちょっとした備えが、旅の安心につながります。
安全と健康を意識して、チェンマイの旅を思いきり楽しんでください。
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Q1. チェンマイへの観光はビザなしで行けますか?
A. 日本のパスポート保持者は30日以内の滞在であればビザなしで入国可能で、イミグレーションオフィスで手続きすればさらに30日延長できます。
延長せずに滞在期間を超えると「オーバーステイ」となり、1日500バーツの罰金が発生します。
Q2. 物価はどのくらい?節約のコツはありますか?
A. チェンマイは日本に比べて物価が安く、屋台ごはんは40〜60バーツ程度(約180〜270円)が相場です。
地元の市場での買い物にも1日乗り放題のソンテウを利用すれば、交通費を抑えて効率よく移動できます。
Q3. 円安対策や両替のコツはありますか?
A. 空港はレートが悪いため、両替は市内の「SuperRich」(スーパーリッチ)や「TT Currency」(ティーティーカレンシー)などの有名店の利用がおすすめです。
ATMでの現金引き出しも可能ですが、1回あたり200バーツ前後の手数料がかかるため、まとまった金額を両替しましょう。
Q4. 現地でSIMカードはどこで買えますか?
A.空港やショッピングモール、コンビニで簡単に購入でき、AIS(エーアイエス)、TRUE(トゥルー)、dtac(ディータック)など大手キャリアのブースで、観光客向けの短期プランを選べます。
その場で設定してもらえて到着後すぐにネット利用が可能ですが、開通にはパスポートの提示が必要です。
Q5. 喫煙や飲酒のルールはありますか?
A. タイでは電子タバコの使用や所持自体が法律で禁止されており、違反すると罰金が科されます。
紙タバコについても、バスやタクシーなどの公共交通機関、レストラン、カフェ、ビーチなどでの喫煙は禁止されています。
また飲酒は、決められた時間帯のみ許可されており、仏教行事の日や夜間は販売や提供が制限されることがあるため事前の確認が必要です。
チェンマイは、歴史ある寺院や豊かな自然、リーズナブルな物価で多くの旅行者を魅了する街で、週末旅行からロングステイまで、目的に合わせた過ごし方ができるのも大きな魅力です。
旅行前にビザの条件や現地のルール、安全・健康面をしっかり対策しておくことで、より快適な滞在が叶います。
観光・カフェ巡り・語学交流など、チェンマイならではの体験をぜひ楽しんでください。