中国の華山とは?世界一危険な登山ルートや名物スポットも解説

Traveloka Japan
01 Jun 2025 - 読了時間:約 1 分

中国五岳の一つ「華山(カザン)」は、極限のスリルを味わえる場所として世界的に注目を集めています。
登山経験や体力に自信がなくても、整備されたロープウェイを利用すれば誰でも山頂の絶景を楽しめるのが華山の大きな特徴です。



この記事では、華山の基本情報から最新アクセス方法、体力レベル別の最適ルート、SNSで話題の絶景スポット、季節ごとの見どころ、必要な予算と装備まで完全網羅しています。
あなたの華山旅行が安全かつ最高の体験になるよう、現地の最新情報と実践的なアドバイスをお届けします。

華山ってどんな山?【五峰の位置関係&世界観光レベル】

【画像】

華山は中国の複合世界遺産に登録されている5つの山「五岳(ゴガク)」のうちもっとも険しいといわれています。
道教の聖地としても知られており、多くの修道士が修行に励んだとされています。
最高峰の南峰は標高2,154.9mに達します。



陝西省(センセイショウ)の省都・西安(シーアン)から東へ約120kmの距離にあり、高速鉄道で約30〜40分の短時間でアクセスできます。
ツアーバスを利用する方も多く、華山は日帰りでも十分楽しめる魅力的な観光スポットです。
日本では味わうことができないスリル満点で危険な登山を楽しめます。



華山の名を世界に轟かせているのが元の時代(約700年前)に造られた「長空桟道(チョウクウサンドウ)」です。
標高2200メートルに造られた断崖絶壁を渡るコースは幅数cmの板の上を命綱一本で渡ります。
「世界一危険な登山道」と称されています。
写真映えするとSNSで拡散され、伝統的な登山愛好家だけでなく、ユニークな体験を求める幅広い層に華山の名が広まりました。



かつては険しい登山道が主でしたが、今では複数のロープウェイと多様な登山道が整備されているため絶景のハイキングコースになっています。
体力に自信がない方や時間がない方もロープウェイからの景色も壮大で主要な峰々の絶景を楽しめます。



また、交通手段、宿泊、食事の選択によって予算に応じたプランを組めます。
絶景を手軽に楽しみたい観光客から本格的な登山家まで幅広い層に対応可能です。



華山は南峰、北峰、中峰、東峰、西峰の5つの峰から構成されており、それぞれ異なる特徴と景観を持っています。
その峰々が花びらのように見えることから、華山の「華」の字は「花」に由来すると言われています。

華山へのアクセス&チケット取得について

華山へのアクセス方法とチケット購入に関する情報をまとめました。
複数あるロープウェイの最適なルート選びとスムーズな手配で、快適な旅をスタートさせましょう。


華山へは西安市内の西安北駅から高速鉄道で崋山北駅まで行きます。
華山北駅からはバスで華山旅客センターへ向かいます。
旅客センターまで行くと北峰と西峰ロープウェイの入口があります。


山頂エリアへの到達が早く壮大な景色を楽しめる西峰ロープウェイは、時間に限りのある観光客や体力を温存したい方に最もおすすめの選択肢です。
北峰ロープウェイより料金が高めですが、乗車時間が長く、高低差も大きいため、より劇的な景観を楽しめます。

ロープウェイの比較

華山には主に西峰と北峰へアクセスする2つのロープウェイがあります。

西峰ロープウェイの料金は3〜11月が片道140元(約2,809円)、往復280元(約5,700円)で、冬季の12〜2月は片道120元(約2,434円)、往復240元(約4,821円)です。
高低差894mを定員8名のゴンドラで所要時間約20分で登ります。



北峰ロープウェイの料金は通常期が片道80元(約1,619円)、往復150元(約3,056円)で、冬季は片道45元、(約905円)往復80元(約1,619円)です。
高低差755mを所要時間約8〜10分で登ります。
待ち時間が比較的短く、コストパフォーマンスが良いとされています。

特徴

西峰ロープウェイ (太平索道)

北峰ロープウェイ (三特索道)

片道料金 (通常期/冬季)

140元 / 120元

80元 / 45元

往復料金 (通常期/冬季)

280元 / 240元

150元 / 80元

所要時間

約20分

約8~10分

高低差

894m

755m

ゴンドラ定員

8名

4名

最終運行 (通常期/冬季)

19:00 / 17:00

通常期19:00 / 冬季18:00

主な利点

・絶景
・時間短縮

・コストパフォーマンス
・待ち時間短い傾向



最も人気でおすすめなのは「西峰ロープウェイで上り、各峰を巡った後に北峰ロープウェイで下る」ルートです。
下り坂が多くなるルートのため、効率的に絶景を楽しみつつ体力の消耗を抑えられ、負担が軽減されます。

チケット取得のコツ

華山のチケット購入はデジタル化が進んでおり、事前の準備が重要です。



WeChatミニプログラム「华山旅游服务平台」またはアリペイミニプログラム「华山旅游官方平台」での予約が基本です。
予約にはパスポート番号の入力が必須です。



通常、前日の20時に翌日分のチケットが販売開始されます。
繁忙期は午前中の枠から売り切れることが多く、時間帯別の入場枠を選択する必要があります。
改札ゲートで顔認証が行われ、紙のチケットは不要です。



また、入場予約時間の2時間前までであれば無料でキャンセル可能です。
それ以降は30%の手数料が発生する場合があります。
ただし、予約プラットフォームによっては規定が異なる場合があるため、購入時に確認が必要です。
学生証提示で半額、65歳以上は無料となる場合がありますが、必ず原本の提示が求められます。

体力別ベスト登山ルート3選

華山には、体力や目的に合わせて選べる様々な登山ルートがあります。
ここでは代表的な3つのルートを詳細に解説します。



初めての華山登山の方は「絶景と安全」を両立できる、西峰ロープウェイを利用し南峰を目指すルートがおすすめです。
華山は険しさで知られていますが、ロープウェイを利用すれば、体力に自信がない方でも安全に高所の絶景を楽しむことができます。
南峰は最高峰であり、眺望は格別です。

項目

半日ライトコース

サンライズコース

五峰縦走コース

総所要時間

約4時間(現地)

約6時間(歩行)+移動・仮眠

約12時間

歩行距離

約3km(山頂)

約7km(山頂)

約12km

累積標高差

±250m(山頂)

↗約900m ↘約650m(山頂)

↗約1,800m ↘約1,000m

主な見どころ

・西峰
・南峰の絶景

・東峰のご来光
・蒼龍嶺(そうりゅうれい)夜景

・五峰全て
・鎖場
・パノラマビュー

体力レベル

初心者~

中級者(夜間登山経験者)

上級者(2000m級縦走経験者)

予算目安

約700元~     (約14,023円~)

約580元~(宿泊なしの場合)(約11,909円~)

約580元~

主なメリット

・短時間
・絶景

・ご来光
・夜間縦走体験

・達成感
・全山制覇

主な注意点

ロープウェイ運休リスク

・ご来光見逃しリスク
・夜間登山の準備

・鎖場渋滞
・ロープウェイ運休時の下山リスク

1. ライトな半日コース

時間がないけれど華山のハイライトは押さえたい方におすすめの最短コースです。

項目

詳細

所要時間

約4時間(現地滞在)

歩行距離(山頂)

約3km

累積標高差(山頂)

±250m

主要撮影スポット

・西峰(蓮花峰)
・南峰展望台からの眺望(雲海は天候次第)

体力レベル

初心者~

予算目安(元)

約700元(交通費、ロープウェイ、入場料、飲食代込)

メリット

・短時間で絶景
・体力消耗少ない

注意点

・ロープウェイ運休リスク(悪天候時)
・高所恐怖症の方は注意



コース概要 & タイムテーブル

時間

行動内容

11:00

西安北駅出発

11:30~11:40

華山北駅到着。シャトルバスで遊客中心へ

12:00

遊客中心から西峰ロープウェイ行きシャトルバス乗車

12:40

西峰ロープウェイ乗車

13:00

西峰到着。西峰散策

13:45

南峰へ移動、南峰展望台

14:45

西峰ロープウェイ乗車(下山)

15:30

遊客中心到着。華山北駅へ

16:30頃

西安帰着



1人あたりの予算目安

項目

金額

備考

高速鉄道

約119元  (約2,400円)

西安北駅⇔華山北駅:2等席往復(2025年4月改定料金59.5元×2)

景区内シャトルバス

約80元   (約1,619円)

華山北駅⇔遊客中心(無料シャトル)+ 遊客中心⇔西峰ロープウェイ往復(西峰線シャトルバス40元×2)

西峰ロープウェイ

280元   (約5,700円)

往復料金(通常期)

入場料

160元   (約3,246円)

通常期

飲食代

約60元   (約1,207円)

-

合計

約700元前後

日本円換算で約14,000円



山頂でのハイキング距離は約3km、累積標高差±250mで、主要撮影スポットは西峰と南峰展望台の雲海です。
西峰ロープウェイ駅付近に売店やトイレがあり、南峰にも公衆トイレがあるものの、トイレットペーパーはないことが多いので持参しましょう。
体力レベルは初心者から小学生高学年でも可能ですが、高所恐怖症の方は注意が必要です。



また、必ず持っていくべき装備は以下の通りです。

滑り止めのついた歩きやすい靴
鎖場用(滑り止め付き)の手袋
薄手のウィンドブレーカー
水筒500ml程度×2本
日差し・紫外線対策用の帽子、日焼け止め

2. 日の出体験コース

ご来光と華山の縦走を手軽に体験したい方向けの日の出+縦走プチ体験コースです。

項目

詳細

所要時間

約6時間(歩行)+移動・仮眠

歩行距離(山頂)

約7km(山頂)

累積標高差

↗約900m ↘約650m(山頂)

主要撮影スポット

・蒼龍嶺の登り(夜景)
・東峰・朝陽台からのご来光
・南峰の稜線からの逆光写真

体力レベル

中級者(夜間登山経験者)

予算目安(元)

約580元~(宿泊なしの場合)

メリット

・ご来光鑑賞
・夜間縦走体験

注意点

・ご来光見逃しリスク
・夜間登山の準備が必要



コース概要 & タイムテーブル

時間

行動内容

前日22:00

西安出発(高速鉄道または夜行バス)

前日23:00~24:00

華山麓(玉泉院など)到着、登山開始

04:30

東峰へ向け出発(北峰山荘泊の場合)または登山継続

05:20

東峰(朝陽台)でご来光

ご来光後

東峰→南峰→西峰へと縦走

10:00

南峰到着

11:30

西峰到着。西峰ロープウェイで下山

13:30頃

西安帰着



1人あたりの予算目安

項目

金額

備考

高速鉄道

約119元      (約2,400円)

西安北駅⇔華山北駅 2等席往復

景区内シャトルバス

約60元       (約1,207円)

華山北駅⇔遊客中心(無料)+ 遊客中心⇔ロープウェイ駅(北峰線片道20元+西峰線片道40元)

北峰ロープウェイ

80元        (約1,619円)

片道(利用しない場合はこの費用は不要)

西峰ロープウェイ

140元       (約2,809円)

片道(下山)

山頂宿泊

約100~180元   (約2,020~3,668円)

北峰山荘などドミトリー(繁忙期は割増)

入場料

160元       (約3,246円)

通常期

飲食代

約80元       (約1,619円)

-

合計

約580元~

日本円換算で約11,600円~
(宿泊なし・北峰ロープウェイ未使用なら更に安価に)



山頂ハイキング距離は約7km(北峰→東峰→南峰→西峰)、累積標高差は上り約900m、下り約650mです。
主要撮影スポットは蒼龍嶺の夜景、東峰からのご来光、南峰の稜線からの逆光です。



補給ポイントとトイレは北峰山荘、東峰茶屋、西峰ロープウェイ駅にありますが、夜間登山の道中のトイレは限られます。
こちらもトイレットペーパーは持参を推奨します。



体力レベルは中級者向けで、夜間登山の経験がある方にはおすすめです。
山頂は麓より10℃程度低いので防寒対策が必須です。



また、必ず持っていくべき装備は以下の通りです。

ヘッドライト(200ルーメン以上)
薄手のダウンジャケット
行動食(800kcal程度)
滑り止め付き手袋
雨具

3. 上級者向けがっつり登山コース

華山の全ての主要な峰を踏破し、本格的な登山を楽しみたい上級者向けのがっつりアルパインコースです。

項目

詳細

所要時間

約12時間

歩行距離

約12km

累積標高差

↗約1,800m ↘約1,000m

主要撮影スポット

・蒼龍嶺の鎖場
・南峰頂上からの360度パノラマビュー

体力レベル

上級者(2000m級縦走経験者)

予算目安(元)

約580元~

メリット

・達成感が大きい
・全山制覇

注意点

・鎖場の渋滞
・悪天候時のロープウェイ運休リスク



コース概要 & タイムテーブル

時間

行動内容

04:30

玉泉院ゲート出発

07:30

北峰到着

10:30

東峰到着

12:00

中峰到着

13:00

南峰到着

14:00

西峰到着

16:30

西峰ロープウェイで下山

18:30頃

西安帰着



1人あたりの予算目安

項目

金額

備考

高速鉄道

約119元  (約2,400円)

西安北駅⇔華山北駅 2等席往復

景区内シャトルバス

約40元+α (約811円)

華山北駅⇔遊客中心(無料)+ 遊客中心⇔西峰ロープウェイ駅(西峰線片道40元)+ 玉泉院までの交通費

西峰ロープウェイ

140元  (約2,809円)

片道(下山)

入場料

160元  (約3,246円)

通常期

飲食代

約120元 (約2,434円)

長時間行動のため多めに

合計

約580元~

日本円換算で約11,600円~



全行程距離は約12km、累積標高差は上り約1,800m、下り約1,000mです。
主要撮影スポットは蒼龍嶺の鎖場、南峰頂上からの360度パノラマビューです。



補給ポイントとトイレは北峰、東峰、南峰などにあります。
山頂に近づくほど価格は上昇し、トイレットペーパーの備え付けはないと考えた方が良いでしょう。
体力レベルは上級者向けなので、2000m級の縦走経験者でないと厳しいかもしれません。



また、必ず持っていくべき装備は以下の通りです。

グリップの良い登山靴
トレッキングポール
水2リットル以上(電解質飲料も)
行動食(1200kcal以上)
ヘッドライト
膝サポーター
雨具
防寒着



鎖場が多く、達成感は大きいですが、特に週末や連休は渋滞しやすいです。
悪天候時に西峰ロープウェイが運休する場合は自力で下山するか、山中での宿泊を余儀なくされるリスクがあります。
長時間の厳しい登山を終えた後にロープウェイが使えないとなると、疲労困憊の中での下山、あるいは予期せぬ山中泊という事態になりかねません。
事前の天気予報とロープウェイ運行状況の確認、万が一の事態に備えた計画が不可欠です。

華山における名物スリルスポット

華山には、その険しさを象徴するようなスリル満点のスポットが点在します。
ここでは特に人気の高い「長空桟道」と「百尺峡・鷂子翻身」について、最新情報を交えながら徹底解説します。

長空桟道

【画像】

華山で最も有名なスリルスポットは南峰の東側山腹に設置された「長空桟道」です。
全長約90mのこの道は、垂直に近い断崖絶壁にボルトで固定された幅数十センチの板の上をハーネス装着で進みます。



料金はハーネスレンタル料込みで30元(約610円)、待ち時間は通常期で1時間以上、繁忙期には90分〜3時間に達することもあります。
南峰の展望台近くの受付で料金を支払い、フルボディハーネスとダブルカラビナを装着後、桟道を進み、終点でUターンして戻る体験時間は、待ち時間を除いて往復約25〜60分です。



以前は上半身のみのハーネスでしたが、現在は安全性が向上しています。
また、身長140cm未満の方は利用できません。
年齢制限や健康状態に関する規定もあるため、現地で確認が必要です。



混雑を避けるなら、午前10時〜午後1時頃が最も混雑するため注意が必要です。
ご来光を見た直後や、午後3時以降は比較的空いている傾向にあります。



写真撮影のポイントとしては、V字谷を背景にした俯瞰での自撮りが人気です。
広角レンズがあると、より迫力のある写真が撮影できます。
板の上でポーズを取る際は、安全に十分注意してください。
往路で写真を撮るのがおすすめです。



体力面では、高所恐怖症でなければ、特別な登山技術は不要で初心者でも挑戦可能です。
ただし、精神的な強さが求められます。



トイレは長空桟道の入口から約50mの場所に南峰の公衆トイレがあります。
売店では水などが購入可能です。



注意すべき点として、三脚の設置は禁止されています。
また、ハーネスのカラビナは、必ず常にどちらか一方がワイヤーにかかっている状態を徹底してください。
両方のカラビナを同時に外すのは非常に危険です。
過去には利用者の不適切な使用による事故も報告されているため、スタッフの指示に従い、安全確認を怠らないようにしましょう。

百尺峡鉄梯子

華山には長空桟道以外にも「百尺峡(ひゃくせききょう)」や「鷂子翻身(ようしほんしん)」などのスリルスポットがあります。
これらは垂直に近い岩壁を鉄の鎖や足場を頼りに昇り降りする場所で、総称して「鉄梯子」とも呼ばれます。



百尺峡は千尺幢上部に位置し、最大傾斜78〜80度、200段にも及ぶ急な石段が続きます。
料金は無料で、待ち時間は0〜20分程度、通過に約10分かかります。
南峰から鷂子翻身経由で百尺峡出口へ至るルートが一般的です。



滑り止め付き手袋が必須で、高所恐怖症の方は注意が必要です。
混雑を避けるなら、日差しが強くなる午前11時〜午後2時を避け、早朝の涼しい時間帯がおすすめです。



見上げるようなアングルで、人物と梯子状の通路全体を捉えると撮影写真に迫力が出ます。

体力面では中級者向けで、特に上腕の筋力が必要です。
トイレや補給ポイントは南峰の茶屋まで約100mです。手袋は現地でも約20元(約407円)で購入可能です。



注意すべき点として、追い越しは厳禁です。
混雑時に前の人を無理に押さないようにしましょう。

季節&時間帯別ベストビュー

華山は四季折々、時間帯によって異なる美しい表情を見せてくれます。
10月頃は華山が美しい紅葉に彩られ、気候も安定して登山に適したシーズンです。
ただし、国慶節の長期休暇は大変な混雑が予想されるため、可能であればこの期間を避けるのが賢明です。



紅葉の見頃には多くの観光客が訪れるため、山頂のホテルなどは早めの予約が必須となります。



雪化粧の頃には、華山は雪に覆われ、水墨画のような幻想的な雪景色が広がります。
凛とした空気の中、雪をまとった峰々の姿は圧巻です。
ただし、この時期の登山にはアイゼンなどの冬山装備が必須となり、気温も氷点下になるため十分な防寒対策が必要です。
長空桟道など一部の危険箇所は積雪状況により閉鎖されることがあります。



春と秋は気候が穏やかで登山に最適なシーズンで、五峰縦走に挑戦する登山者も多く見られます。
空気が澄んでいる夜には、街明かりの届きにくい山頂から見上げる星空が格別です。
夜間登山を計画すれば、満天の星空とご来光の両方を楽しむことができるでしょう。

写真映えへの撮影テクニック

最近のスマートフォンは広角レンズの性能が高く、手軽にダイナミックな風景を撮影できます。
超広角モードも活用しましょう。
一眼レフ/ミラーレスカメラでより高品質な写真を求めるなら、広大な景色を捉えるために14-24mm程度の超広角レンズがあると表現の幅が広がります。
三脚もあると、特に夜景や星空、スローシャッターでの撮影に役立ちます。



美しい雲海に出会うためには、いくつかの気象条件が揃う必要があります。
一般的に、前夜に雨が降り、翌朝晴れて気温差が10℃以上あると、早朝6〜8時頃に雲海が発生しやすいと言われています。

朝陽(日の出)

華山風景の中で日の出を見るのに最適な場所は、東峰です。
朝陽峰とも呼ばれ有名な観賞スポットです。
時間は季節によって変動し、4月頃は午前5時30分〜6時、10月頃は午前6時20分〜6時50分頃になります。

夕景(日没)

西峰が、日没鑑賞におけるベストスポットです。
南峰のテラスからも美しい夕景が望めます。
日没のゴールデンアワー(日没前後30分〜1時間)に合わせ、南峰から西峰へ移動しながら撮影するのもおすすめです。



星空は月明かりの少ない新月の前後、晴天率の高い日が狙い目です。
山頂は街灯りが少ないため、星空撮影に適しています。

月別の気候&混雑状況について

華山の気候と混雑状況を月別にまとめました。旅行計画の参考にしてください。

平均気温(山頂)

特徴・注意事項

混雑指数

1月

−5℃〜3℃

・雪景色が美しい
・アイゼン必須
・春節時期は混雑

★☆☆☆☆

4月

8℃〜18℃

・新緑の季節
・登山に適した気候
・黄砂の影響で視界が悪くなる日も
・清明節は混雑

★★☆☆☆

7月

20℃〜30℃

・夏休みシーズンで混雑
・山頂でも日中は暑いが、朝晩は涼しい
・夕立に注意
・熱中症対策必須

★★★★☆

10月

10℃〜20℃

・紅葉のベストシーズン
・気候も安定
・国慶節(10月1日~7日頃)は極めて混雑
・ホテルは早期満室

★★★☆☆

華山の観光への予算と装備

1日の予算は、選択する登山ルートや交通手段、食事、宿泊の有無によって大きく変動します。
華山登山に必要な1日あたりの予算と、必須の装備をまとめました。

交通費

必要な交通費の合計は約350〜439元(約7,060円~8,885円)程度です。

項目

金額

備考

高速鉄道

西安北駅 ⇄ 華山北駅 2等席往復

119元

59.5元×2(2025年4月改定料金)

景区シャトルバス

華山北駅⇔遊客中心

0元

無料バス(華陰1路・2路)利用

遊客中心⇔西峰ロープウェイ駅(往復)

80元

西峰線片道40元×2

遊客中心⇔北峰ロープウェイ駅(往復)

40元

北峰線片道20元×2

ロープウェイ

西峰ロープウェイ往復

280元

通常期

北峰ロープウェイ往復

150元

通常期

西峰上り・北峰下り

220元

西峰上り140元+北峰下り80元(通常期)



最も代表的な「西峰ロープウェイで上り、北峰ロープウェイで下る」日帰りプランでは、総額約559元(交通費・入場料込み)が目安となります。

内訳は高速鉄道往復119元、景区シャトルバス60元(西峰線片道40元+北峰線片道20元)、西峰ロープウェイ片道140元、北峰ロープウェイ片道80元、入場料160元(通常期)です。

食事・宿

山頂にあるドミトリータイプの宿泊施設の料金は、一泊あたりおおむね100〜180元(約2,020円~3,668円)です。
ただし繁忙期には5割以上値上がりすることもあるので注意が必要です。
山麓にはビジネスホテルもあり、こちらは一泊約300元(約6,107円)で深夜チェックインが可能なところも見つけやすく、終電後に到着しても安心です。




山頂で食事をとる場合は、レストランの一食が50〜100元(約1,024円~2,020円)程度とやや高めです。
たとえば500ミリリットルのミネラルウォーターが約10元(約200円)、カップ麺は15〜20元(約300円~400円)、ホットドッグやトウモロコシなどの軽食は10元から販売されています。



日帰り登山で費用を抑えたい人は、山麓で食事を済ませるか軽食を持参するのがおすすめです。
山頂で飲食したい場合でも、以上の価格帯を目安にしておけば予算オーバーを防げるでしょう。

登山に持っていくべき持ち物

華山を安全かつ快適に登るためには、まず足元を支える滑り止め付きの登山靴や長時間歩く用のトレッキングシューズを用意しましょう。
華山は傾斜が急な階段が何段もあるので頑丈で疲れにくく、グリップ力のあるシューズがおすすめです。



鎖場や岩場では滑り止め付き手袋が力を発揮しますが、ゴム製であれば現地でもわずか2〜20元程度で手に入ります。
夜明け前や日没後に行動する場合は200ルーメン以上のヘッドライトが欠かせず、予備の電池も忘れないようにしてください。
華山は天候が変わりやすいため、レインウェアに加えて風を防ぐウィンドブレーカーがあると安心です。



山頂付近では気温が下がりやすく汗冷えも起こりがちなので、速乾性の衣類を重ね着して体温調整を行います。
紫外線も強いため、帽子やサングラス、日焼け止めで肌と目を守りましょう。
写真撮影や地図アプリの利用でスマートフォンの電池が減りやすいので、10,000mAh以上のモバイルバッテリーを携帯しておくと心強いです。
山頂での飲食物は割高なので、十分な量の水と軽食をあらかじめ持参し、常備薬や絆創膏など最低限の救急用品もリュックに入れておくと、いざというときに慌てずに済みます。

まとめ

「奇険天下第一山」との異名を持つ華山は、スリル満点の長空桟道や悠久の道教遺産が織り成す絶景で観光客を魅了しています。
西安からアクセスしやすく複数の登山ルートがあり目的に合わせて選べるため、熟練の登山家から一般観光客まで楽しめるのが大きな魅力です。

訪問者は年々増え続けており、繁忙期の混雑や環境負荷が課題となるため、オフシーズンの計画や事前予約の活用が望ましいでしょう。

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